歩くのは簡単な健康のための運動だけど、どれ位歩けば良いの?

ウォーキングほど簡単で、健康になるエクササイズはないですよね。

特別なトレーニングはいらないし、ほとんどどこでも実践できるし、そのくせ健康効果は高いしで、なにも運動したことがない人は、ぜひ試すべきエクササイズの筆頭と言えます。

実際にはまだ謎なのが、「慢性疾患の改善に役立つ歩数はどれ位なのか?」という問題です。

肥満、高血圧、胃食道逆流症、糖尿病と言った成人病に効くウォーキングの量はどれぐらいか、ということですね。

2022年にこの問題を調べた研究(ソース)が出ているので、参考になりそうです。

これは平均56歳の男女6042人を対象にした観察研究で、歩数と慢性疾患リスクとの関係を評価したものです。

研究チームは、参加者にFitbitを使ってもらい約4年におよぶ歩数のデータを調べ、1日当たりの歩数、歩行速度などをチェックしました。

そのうえで、みんなの慢性疾患の発生率を調べたところ、結果は以下のようになっています。

  • 1日の歩数が2万歩になるまで、肥満、睡眠時無呼吸症候群、胃食道逆流症、大うつ病などのリスクは下がり続けた(1日2万歩以上でさらにリスクが下がるかは不明)
  • 1日あたり8200歩を超えたあたりから、病気リスクが下がり始めていた
  • 糖尿病と高血圧については、1日あたり8000歩を超えてもリスクは下がらなかった

ということで、「1日2万歩ぐらいは歩いたら慢性疾患の発生率は減らせるのでは?」という結論になっています。

でも2万歩も歩こうとすると4,5時間かかってしまうので現実的ではないですね。

ですが、8000歩ぐらいでも効果はあるようなので、これなら1日1時間ほどで、始められないことはないですね。

朝30分、夕方30分など目安にできるのではないでしょうか?

ということで、今なにもエクササイズしてなくて成人病が怖いなあと思ってる人や運動不足に悩んでるひとは初めてみるのも良いかと思います。

炭水化物を食べ過ぎても食べなさ過ぎてもと死ぬリスクが上がる!

ダイエットの観点から、「糖質は減らすほどよい」という意見がある一方、「糖質を取らないと健康に悪い」という主張もあったりします。

2018年に「炭水化物はどれぐらい食べるのが健康なのか?」という問題について、かなり良い研究データ(ソース)が出ていたので、参考になるかと思います。

これは2種類の分析で構成された研究で、

  • 4つの地域で募集した45歳から64歳のアメリカ人男女1万5428人を対象にした追跡調査を実施。みんなの食事を定期的に調べて、中央値で25年間の調査を行う。
  • 世界各地から43万人以上のデータを集めて、メタ分析を行う。

みたいになってます。

あくまで観察研究ですが、規模は大きいし、異なる民族の男女を含んでいるし、逆の因果関係があるかどうかも確認しているいるので、かなり質が高い結論を出しているのではないかと思います。

分析の結果は以下のようになっています。

  • 約1万5000人のアメリカ人を25年ほど追いかけた結果、炭水化物を食べる割合と死亡率の間にはU字型の関連があり、炭水化物を食べる量が総カロリーの50〜55%の場合に、死亡リスクが最も低くなることがわかった(平均48.9%)。
  • メタ分析でも同じような結果が出ていて、炭水化物をあまり食べない人(40%未満)と、炭水化物をたくさん食べる人摂取(70%以上)のどちらとも、ほどほどの炭水化物量と比べて死亡リスクが高かった(ハザード比:低摂取:1.20、高摂取:1.23)。
  • 炭水化物をあまり食べない人たちの平均寿命は79歳で、炭水化物をたくさん食べる人たちは82歳、ほどほどの炭水化物を食べる人たちは83歳だった。

ということから、現時点で最良のデータを見る限り、炭水化物は食べすぎても食べなさすぎても問題がありそうですね。

糖質制限ダイエットとか短期的にはいいのかもですが、やっぱ長期で見ると難しいのかもしれません。

1日2000kcalを食べる人がいた場合、炭水化物からのカロリーが30%の食事は1日150gに相当し、そのうち糖類は50g程度に相当しますから、これぐらいだと、相対的に野菜の摂取量が減るのは避けられず、 食物繊維の摂取量が減ってしまうのも当然でしょう。

そのせいで便秘は起きやすくなるだろうし、血中コレステロール値も低下するだろうし、腸内細菌にもダメージがあるだろうしで、死亡リスクが増えても仕方ない感じです。

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感謝の気持ちをきたえて幸福度をあげる6つの方法!

感謝の気持ちには様々なメリットがあります。

などのデータがあり、どうやら感謝の気持ちを持って生活している人は幸福度が高く、心理的な問題も抱えにくいみたいです。

で、2020年のデータ(ソース)は、「感謝の気持ちは1日15分で鍛えられる」という結論になってて興味深いです。

これはトゥエンテ大学の研究で、研究チームによれば、

” これまでの研究では感謝について様々なメリットが言われてきたが、感謝の気持ちを鍛える方法については十分なデータがなかった、そこで我々は、6週間のトレーニングで効果を研究することにした。”

とのことです。

感謝のメリットは十分なほど認められているものの、この気持ちを育てていく方法については、まだまだリサーチが手薄だったということですね。

研究チームは217人の参加者を集めまして、全体を3つのグループに分けています。

  1. 1日15分ずつ感謝のトレーニングを行う
  2. 1週間のうちに自分のためになることを5つ行う
  3. 特に何もしない

トレーニングの期間は6週間で、ここで採用された「感謝のトレーニング」は週がわりで指示されていて、

  1.  その日にあった「感謝できること」を日記につける
  2.  自分の人生を思い描きつつ、「いま当たり前のことが当たり前でなくなったら?」と想像して紙に書き出す(「蛇口からキレイな水が出なかったら?」とか「洗濯機がなかったら?」とか)
  3.  友人に感謝の言葉を伝えたりなど、他人に感謝の気持ちを表現する
  4.  自分の人生で感謝できる人や出来事について、できるだけ細かく書き出す
  5.  人生で起きた辛いことを思い出し、その体験から学んだことや、ためになったことを書き出す
  6.  朝起きたら「今日は感謝の態度をたもちながら行動するぞ!」と自分に言い聞かせてから行動する

といった6つの方法が取り上げられています。

そして、6週間後と3カ月後の2つの時点で効果をチェックしたところ、

  • 感謝のトレーニングを行なったグループは、他のグループよりおよそ10〜20%ほど幸福度が高くなった
  • 感謝のトレーニングをしたグループの幸福感アップ効果は、訓練後6カ月後までキープされた

という傾向が見られたとのことです。

具体的にどのトレーニングが効いたかは不明ですが、1日15分にしては良い成果ではないでしょうか。

幸福度アップの手法としては試す価値があるかと思います。

ちなみに、トレーニングを行う際の注意点として、チームは以下のようなポイントを守るように言っています。

”感謝のトレーニングは、その場ですぐに幸せになるためのメソッドではない。感謝のトレーニングは、人生に対する新しい態度を育てるために行うって欲しい。”

”感謝の心が育つと、人生は「いまの状態で当たり前」なものではなくなり、この姿勢が私たちの態度をより柔軟にしてくれる。”

「感謝」は気分を改善するためのお手軽なTipsではなく、脳内の状態を書き換えるような作業なのでしょうね。

さらにもうひとつのポイントは、

”感謝を行う際には、ネガティブな経験を無視してはいけない。

人生の困難や心理的な痛みを認めつつ、人生の良いところに感謝するのが重要だ。これこそ心理的なレジリエンスの本質と言える。”

とも言っています。

人生には苦痛やトラブルがつきものなので、これを無視して感謝だけしても、リアリティにもとづかないから意味がないという話です。

これも非常に大事なポイントかと思います。

私たちは無意識に太ってるひとへの偏見を持ってる?!

私たちは太っている人へのバイアスを持っているという研究(ソース)が2020年に出ています。

これは、反肥満バイアスと言われ、その名の通り太ってる人を下に見がちな偏見のことで、多くの人は、このような無意識のうちにこのような偏見を持っているということです。

ここでは3つの実験を行っていて、その実験内容はこんな感じです。

  1. 参加者に、色々な体型の人の写真を見せる(ターゲットの性別(男性/女性)×体格(太め/細め)の4パターン)か、いろんな体格の人を描写したシナリオを読む
  2. 写真の人の、暖かさ(温かい、気立てが良い、思いやりがある、育てている)、有能さ(能力がある、知的、自信がある)、自己抑制、感情表現の豊かさなどを評価する。

ということで、個人の体型によって、みんながどんなイメージを持つかどうかを調べたわけです。

では、全体的な結論をざっと見てみると、

  • 体重の重い人は、より温厚で感情表現が豊かだと思われるが、その代わりに魅力的でなく、有能さは低く、より自制心が弱いとみなされた。
  • 体重が平均的な人の場合は、「この人は感情の表現が豊かです」と言われたほうが「より暖かい」と認識されやすく、「この人はセルフコントロール能力が高いです」と言われたほうが「有能そうだ」と認識されやすかった。

となってます。

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