電子レンジは、電磁波(電波、マイクロ波とも呼ぶ)で食品を加熱する調理器具で、非常に便利で、今やなくてはならないものだと言えます。
最近、Youtubeを見ていると電子レンジで調理した食べ物に栄養素がなくなるとか、老ける元となるAGEを作るとか、電子レンジってそんな悪者だったかな?のような情報があります。
電子レンジを使っていると本当に害はあるのでしょうか?
ネット上で噂されている電子レンジの害は、
電磁波の人体への影響
・電磁波は発がん性など健康を害する
・電磁波の漏れが心配。電子レンジの漏れ対策は?
調理される食品の栄養素
・電磁波で食品の分子構造が変化し、栄養価が減少する。酵素は失われている。
・電磁波に細胞や遺伝子が耐えられない。さらには毒性が生じる。
・電磁波でプラスチック容器が加熱され溶け出した化学物質が食べ物に混入する。
といった感じです。
結論から言えば、
普通に正しく電子レンジを使用している限り危険性はありません。
電磁波については、どうか?
電子レンジ内の電磁波は金属の壁に反射しますが、電子レンジの外に強い電磁波が漏れないように作られてます。
ガラスがはめ込まれたドア部分にも金属のシールドが施されています。
さらに、電子レンジは電波法令で管理されています。
電子レンジから漏れてしまう電磁波の強さに対する日本及び米国の安全基準は、電子レンジから5㎝の位置で5mW/㎠(電力密度)以下と定められています。
調理する食品の栄養素はどうか?
ビタミンC
農業食品ジャーナルで発表された研究によると(ソース)、電子レンジで調理したブロッコリーはビタミンC以外のミネラルは失われなかったという結果があります。
でもビタミンCは熱に弱いですので、茹でても炒めても失われます。
ブロッコリーとほうれん草を使った実験の結果をみると、茹でるよりも電子レンジで加熱したほうが、ビタミンCの残存量が多いことがわかってます。
電子レンジは加熱時間が短いこと、水溶性のビタミンCが茹で汁に流れ出てしまったことが原因だと考えられます。
抗酸化物質
電子レンジで調理した食品に含まれる抗酸化物質はその損失が一番少なかったという結果があります。(ソース)
オメガ3脂肪酸
電子レンジ調理した魚(黒むつ)のオメガ3脂肪酸の損失が揚げた調理法より多かったという事実があります。
ですが揚げることで他の油とミックスされるので電子レンジで調理したより健康的でないというのが研究者の見解です。(ソース)
電子レンジで使用する容器から化学物質が食べ物に混入する?
ハーバード医学スクールによれば(ソース)、この心配に関してはちゃんと法で規制されているとしています。
安全度を越える物質の量についてテストが行われていて、そのテストに合格した容器のみ電子レンジ可能という表記を許されるということです。
電子レンジの電磁波は発がん性あるの?
電子レンジの電磁波は発がん性があるとかDNAを破壊するのでは?という風評があります。
1997年のピーターヴォルバーグの研究で過去の実験の分析によると、電子レンジの電磁波で人間がガンを発生させるかどうかの関連性については確たる証拠はなかったとしています。(ソース)
動物実験などの結果から、電子レンジの電磁波は発がん性がないと結論づけています。(他のソース)
電子レンジで使用する電磁波は、放射線を食べ物に移動させるほど強力なものでなく水の分子を動かして食品を加熱するだけなのですから、発がん性があるとは考えられないです。
まとめると、
電子レンジの電磁波が危険であるという科学的根拠はないということです。
使わないという選択した人達もいますが、忙しい人の食生活を助ける便利な調理器具を使用しないという決定的な理由は見つからないと言えます。