人間の脳には自動でスリムな体型を保とうとするセットポイントという仕組みが備わっていますが、いったんこの機能が狂い出すと、どんなに頑張っても痩せない体になってしまいます。
その原因として大きいのが脳の混乱で、もう1つが細胞レベルの不調です。
前提として、セットポイントがきちんと動いていると、人間の体は以下のように働いて、一定の体重をキープしようとがんばります。
一杯食べると空腹感が下がり、代謝があがるので体重はそのまま。
あまり食べないと空腹感が上がり、代謝がさがるのでやはり体重はそのまま。
ところが、いったん肥満になってしまった人のなかには、いくら食べても空腹感がおさまらず、逆に代謝は下がって脂肪が燃えないという状態になったりします。
これはレプチン抵抗性と呼ばれる現象で、ホルモンのバランスが崩れた状態です。
レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、脳に「もう満腹」と伝える役目を持っています。
そのため、本当なら脂肪が多いほど簡単に満腹感を得られるはずなのですが、レプチン抵抗性がアップすると事態は大きく変わってきます。
脳がレプチンに反応しにくくなるので、どれだけ食べても食欲がおさまらなくなります(ソース)。
つまり、肥満の人というのは、見ためはいくら太っていても脳のなかは飢餓状態と同じなわけです。これでは痩せられませんね。
では、なぜ「レプチン抵抗性」という現象は起きるのでしょうか?