自分のこと、どれくらい分かってると思ってますか?
2014年に自己認識能力に関する研究を行ったターシャ・ユーリックによると、多くの人は思い込みにとらわれ、客観視できません。
↓の本の中で実際的な自己認識能力の高め方が説明されています。
彼女は5000人近い参加者を対象に10件の調査を実施し、自己認識とは実際に何なのか、なぜ必要なのか、どのようにして高められるかを実験しました。
その結果、
自己認識とは何か、それを高めるには何が必要かに関し、多くの驚くべき障壁、誤った通念、そして真実が明らかになりました。
95%の人たちは自分自身をよく知っていると信じているにも関わらず、実際はわずか10~15%しか自己認識能力をもっていない、実に珍しい資質であることが判明しました。
仕事の能力、リーダーシップ、経済的立場、学校での成績、仕事の生産性などあらゆる点で自分のことが分かってないということです。
第三者の意見をいれないと10%-15%しか自分のことを認識できないのです。
自分のことを認識するというのは、例えば自分の人生で何が欲しいのか
自分がどう行動すればいいのか、そういうことを計測するのが自己認識能力(アセスメント能力)です。
アセスメント能力が高い人は仕事でも成功するし、人生の満足度も高く、問題を抱えにくいということが分かってます。
アセスメント能力を高めることが自分を客観化できるし、自分の能力を高めることにつながることができます。
でがどうしたらアセスメント能力を上げられるのか?
1.なぜではなく何がと考える。
2.ゴールを決めて計測する。
3.他人からデータを取る
1.なぜを考えると自分を正当化するために色々な理由を考え付く。
人間はバイアス(思い込み)にまみれています。
なぜを考えると自分の都合のいいことばかり考えてしまいます。
仕事うまく行かなかった時、上司が悪いとか、学歴がないからとか、体調が悪いからとか、自分を正当化するための言い訳が沢山でてきます。
気分にも左右されて、いい気分の時は これはしょうがない不可抗力だと思うし、気分が悪い時だと、やっぱりだめなんだとか、ネガティブに考えてしまいます。
どんどんバイアスにまみれてしまいます。
なぜではなく、何がうまく行かない理由なのか? を考えてみる。
すると、上司とのコミュニケーションがうまく行ってなかったとか、クライアントとの何等かの問題があったとかなど具体的な問題を考えられ、実際の解決策にむかうことができます。
なぜ仕事がうまくいかないのかを考えると、抽象的で解決しづらい自分に都合のいいことを考える方向にむかってしまうので、何が原因なのかということを考えるのがいいってことですね。
2.目標を決めてその進展を計測する。
3か月間のコーチングプログラムに参加して、自分のゴールを決めて記録していくという実験結果があります。
何がいいかというと、目標を定めてその目標に至るまでを記録していくと、何がうまく行っていて何がうまくいってないか把握できるので無駄なことで悩まないようになります。
自分の達成したいゴールのために何をしたらいいのかが段々と見えてくるようになります。
ゴールを決めても具体的なステップを考えないとどうしていいか分からないですよね。
実際に具体的なステップを記録し、うまく行ったかいかないかで次はどうするかが判断できるようになるわけです。
立ち位置を確認するために記録をつけて立ち位置に応じて対策を考えるということですね。
3.データを取る
冒頭にも書いたように自分を客観的に認識する能力が大抵の人は低いので、他人に意見を求めることが重要です。
普段からそういうチェックをしてくれるような人と仲良くなっておくことがいいと思います。
例えば仕事でこの目標を達成するためにこういうステップを考えているけれど、この方針で大丈夫か?と信頼できる同僚や上司に聞いてみると自分がどういう立ち位置か理解できます。
心理学者ティモシースミスは恋愛関係にも同じようなことが起きると考えていて、
300組を対象とした実験で相手の良くない点、怒りっぽさなどを調べました。
自分で自分の性格を判断するよりもパートナーから見てもらったほうが客観性があったという結果があります。
パートナーの怒りっぽさは心疾患に関わる性質なので、パートナーが何が原因で怒りっぽいのかを相手に客観的に判断してもらい、怒りっぽさを直していく具体策を考えられることになり、しいては心疾患になる可能性を低くできます。
まとめると、
自己認識能力を高めて自分を客観視できるようになるには、
まず、なぜではなく何?と考えること。
そして、ゴールを決めて記録をつける。
他人にチェックしてもらい、立ち位置がうまく行っているか判断してもらう。
ことが重要です。