腸内環境を改善するポリフェノールの摂り方

ポリフェノールは植物にふくまれる成分のひとつで、野菜やフルーツはもちろん、コーヒーやお茶、ワインなどに多く含まれています。

ポリフェノールが大事なのは抗酸化作用が高いからで、癌や糖尿病、老化などにも効果があり、アンチエイジング的には欠かせないポイントです。

実はポリフェノールは、腸内環境を正すためにもとても重要です。
よく研究を見かけるのが、ポリフェノールと腸内環境の関係です。

ポリフェノールは腸内細菌のエサになる

たとえば、2012年にゲント大学のレビュー論文(ソース)によると、ポリフェノールと腸内環境の関係が上手くまとめられています。

これによると、

  • 食事から摂ったポリフェノールは、10%ぐらいしか小腸から吸収されない
  • 残りのポリフェノールは腸内細菌によって分解されて、腸内環境に影響をあたえる

ということです。

実はポリフェノールは、一部の食物繊維と同じく腸内細菌のエサになってるわけです。

つまり、ポリフェノールと腸の影響には2パターンあり、

  • ポリフェノール自体が腸内細菌のバランスを変える
  • ポリフェノールが腸内細菌に分解されて、健康に役立つ物質を生み出す

となっていて、かなりの働き者です。

良い菌を増やし、悪い菌を減らす

具体的にどの食品のポリフェノールがどんな働きをしているかと言うと、

  • 緑茶:お茶にふくまれるカテキンには、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉を増やし(ソース)、 ヒストリチクス菌のような有害な菌を減らす働きがある(ソース)。
  • ベリー類:アントシアニンやカテキンなどは乳酸菌の量を増やし(ソース)、逆にブドウ球菌のように有害な菌を減らしてくれる(ソース)
  • ココア:ココアフラボノールが腸内細菌のエサになり、やはり善玉菌を増やすことが確認されている(ソース)

などがあげられます。

良い菌を増やしてくれつつ、悪い菌の増殖を防いでくれるので、これを摂らないという選択はないですね。

腸に効かすためにポリフェノールを摂るには?

では腸内細菌に効かすためには何を食べたらいいのか?ということが気になりますね。

スパイス類やナッツ類は、適量のポリフェノールが取りづらいので、以下の食品がおすすめです。

  • ブラックベリー:ベリー類でも最強レベルのポリフェノール
  • ブルーベリー:ブラックベリーよりやや劣りますが、冷凍ものが手に入りやすい。
  • ラズベリー:これもポリフェノールレベルは高い
  • ダークチョコレート:カカオポリフェノールが腸内細菌のエサになるけど、カロリーが高いのが難点
  • コーヒー:クロロゲン酸が善玉菌を増やしてくれる。カフェインのとりすぎに注意
  • 緑茶:手に入りやすいし、カテキンの性能がかなり良好。
  • ブロッコリー:ポリフェノール以外にも必須栄養素が多い。食べ過ぎるとゴイトロゲンで甲状腺にダメージがあります
  • ホウレン草:こちらもポリフェノールと必須栄養素が多い。腸内環境が悪いとシュウ酸の悪影響を受ける可能性もあります

このなかでは、カロリーや栄養素的には、ベリー類が最強な感じです。ベリー類を中心にしつつ、有色野菜を色々食べていくのがよさそうです。

ダイエットに効くポリフェノールは?

果物や野菜にふくまれるフラボノイド(ポリフェノールの一種で天然に存在する有機化合物群の植物色素の総称)がダイエットに効くと言われています。

ただし、ひとくちにフラボノイドと言っても6000以上の種類があって、どれが本当に効果的なのかは分かっていませんでした。

が、ハーバード大から出た論文(ソース)によれば、ダイエットに効くフラボノイドを、かなり細かいところまで調べてあってどれが効果的か分かったとのことです。

この論文は12万人以上を調べた観察研究で、参加者の年齢は27〜65才です。1986〜2011年の26年間にかけて、2年おきに全員の体重と食生活を調べた大規模なリサーチになっています。

体重の維持に効くフラボノイドとは?

その観察研究の結果は、

  • ダイエットに本当に効くのは、アントシアニン、フラボノイド重合体、フラボノールの3種類
  • 一般的な推奨量よりも多くフラボノイドを取ると、4年ごとに0.07〜0.10kgの肥満防止効果が得られる

となっています。

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コロナウィルスに抵抗できる免疫力を付けよう!

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この季節はインフルエンザも流行っていることが多いので、体の中から免疫力をつけることも重要です。

ポリフェノールで炎症が減る!

感染症に関するデータがメインの論文で、やはり「免疫力アップに効くのはポリフェノール」(ソース)ということが確認されています。

もともとポリフェノールに炎症を抑える作用があるのは分かっていたのですが、具体的に「どれぐらい効くのか?」と「何を食べればいいのか?」というのは不明瞭だったのでこの論文で明確になったと思います。

老化の大きな原因は炎症なので、アンチエイジング的にも気になるところです。

これはオークランド大学の調査で、質の高い14件のデータを精査したメタ分析になっています。

つまり、科学的な信頼性はかなり高いと言えます。

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2014年になると実は「ポリフェノールのおかげではないのか?」という論文が出ました。(ソース)。

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