誰でもネットで荒らしになってしまうかも?!

先日オンラインで嫌な人は実際も嫌な人であるという記事を書きましたが、環境によっては誰もがネットで荒らしになってしまう可能性があるというデータがあってこれもまた面白いと思います。

気分がむしゃくしゃしてやってしまう

これは、スタンフォードとコーネル大の共同研究(ソース)で、2つの調査で構成されていて、一つは667人の男女が対象で、実験内容は以下のようになっています。

  1. 全員に「解くのが難しいクイズ」と「解くのが簡単なクイズ」のどちらかに挑戦してもらう
  2. クイズが終わったあと、全員の「気分」を採点する
  3. 実験用のにせのニュースを用意。記事の内容は同じだが「コメント欄に誰も書き込んでいない状態」と「すでに荒らしコメントが3つ付いている状態」の2パターンを用意
  4. 参加者にどちらかのにせのニュースを読んでもらい、「最低でもひとつ以上のコメントを残してください」と指示

つまり、参加者の環境によって「荒らしたい欲求」が活性化するかを調べたわけです。

その結果は、

  • 簡単なクイズかつコメントがない記事を読んだグループ:35%がネガティブなコメントを残した
  • 難しいクイズだけを受けた、あるいは荒らしコメントがついた記事だけを読んだグループ:50%がネガティブなコメントを残した
  • 難しいクイズかつ荒らしコメントつきの記事を読んだグループ:68%がネガティブなコメントを残した

となっています。

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新型コロナの陰謀論を信じやすい人の性格とは?

以下のような新型コロナに関する陰謀論聞いたことあると思います。

1. 発生源とされている武漢にあるウイルス研究所で作られ、それが市中に漏洩してしまった。

2.フェイスブックとツイッターを介して広まった、今回の新型コロナウイルスはワクチンとして開発され、2015年に特許が取得されていた。

3.ビル・ゲイツはかねてより疫病の世界的パンデミックに警鐘を鳴らしていたことから、彼が、資金提供して開発されたものである。

4.中国での死者数は実は100万人以上(WHOの事務局長補は公式に否定)

5.武漢で遺体の大量焼却が行われている。

こういう「新型コロナの陰謀論を信じやすい人に特有の性格がある」というデータ(データ)が出ていて興味深いです。

これは406人のイギリス人を対象にしたテストで、まずはオンラインで参加者にさまざまなパーソナリティテストを実施しました。

さらに、みんなに一般的な陰謀論と新型コロナに特有の陰謀論をどのように考えているかを答えてもらいました。

たとえば、参加者には「新型コロナが本当に存在するという証拠はない」といった文章に同意するかどうかを判断してもらったり、さらにはそれぞれの陰謀説を広める意思があるかどうかも評価して判断しました。

そのうえで、新型コロナの陰謀論を信じる人たちと、パーソナリティの相関を見たところ、結果は、

新型コロナの陰謀を信じる人ほど、マキャベリズム、サイコパス、集団的ナルシシズムが強い傾向があった。

さらに、これらの性格特性を持つ人は、ワクチンを接種しないと答える傾向もあった

ということでした。

いわゆるダークトライアドな人ほど新型コロナの陰謀論にはまる傾向があるとのことです。

ダークトライアドというのは、

  • マキャベリズム=他者を戦略的に操作しようとする人
  • サイコパス=冷淡さと感情の欠如を特徴とし、衝動性と反社会性が強い傾向がある人
  • 集団的ナルシシズム=自分の属する集団に誇大な優越感を持つ人。「私の国は最高だ」みたいな感じ

みたいになります。

もともとダークトライアドと陰謀論は相性が良いことがわかっていて、これらの特性を持った人は、他人を操ったり搾取しようとする気持ちが強いので、そのせいで陰謀論的な信念を持ちやすいとのことです。

この調査はすべて参加者の自己申告でデータを取っていて、新型コロナに関する参加者の知識も評価されていないし、横断的に行われた研究なので因果関係もあまり明確ではないです。

ですが、その限界は注意しつつも、陰謀論とダークトライアドは関連が高いということは言えそうです。

職場で役に立つサイコパスと役に立たないサイコパス

サイコパスには2種類あるという論文(ソース)があります。

昨日書いた記事では、 組織のリーダーとして有能なのかという話でしたが、サイコパスだからと言って全く役に立たないということはありません。

トランプのようなサイコパスは組織のリーダーに多い

これはボン大学の研究で、161人のビジネスマンを調べたものです。

性格テストで全員のサイコパス度を診断したうえで、さらに職場での評判や仕事のパフォーマンス、社交スキルなどもチェックしました。

さらに、参加者の同僚にもインタビューを行い、客観的な職場での評価なども調べたところ、サイコパスには以下の2パターンがいることが分かりました。

一次的サイコパス:大胆不敵で恐れ知らず、自分の道を貫き、結果がどうなろうとも怖がらないので、仕事のストレスにもやたらと強い。

同僚からは「頼りになる」「助けになる」と支持されている。つまり「役に立つサイコパス」と考えられます。

二次的サイコパス:自己中心的で衝動のコントロールが効かず、他人のことを深く考えないためにチームワークを乱す。

当然、同僚からは「面倒なやつ」「近寄らないようにしよう」と思われている。つまり「役に立たないサイコパス」と考えられます。

心理学者のケビン・ダットンによれば、「自己中心的で無責任だけど魅力的で自信家」がサイコパスの大きな特徴だそうですが、この特性が上手く回れば、社会のお役に立つサイコパスになれるのかもしれません。

ちなみに、トランプは、今選挙結果を冷静に判断できず、訴訟という悪あがきをしてるところを見ると、二次的サイコパスと言えそうです。

研究者によれば、

” 必ずしもサイコパスが反社会的な行動を取るわけではない。

彼らの「恐れを知らない」という特性は、ライフセーバーや医師、消防士などの職業で活かすことができる。”

ということです。

「サイコパス 秘められた能力」で有名なケビン・ダットン博士によれば、「サイコパスの脳は仏教僧の脳に近い」ということなので、どちらも合理的な思考力が高く、「今ここ」に生きる考え方が強く、プレッシャーが大きい状況にも強いということなのでしょう。

また、2種類のサイコパスをわける要素としては、

” 一次的サイコパスが同僚から支持されるのは、彼らが「社交スキル」を身につけたときだけだ。

サイコパスのメリットに、他人を喜ばせるスキルを加えるのが大事だ。”

という点です。

おそらくサイコパス自体は中立的な特性で、ここにナルシシズムやマキャベリズム(目的のために他人を搾取)というダークトライアドを構成する性格が加わると、一気にネットの誹謗中傷のように反社会的な活動に向かうのかもしれません。

不安症で、ビビりな人は、おそらくサイコパスの要素は薄いでしょう。

そういう人は、できるだけ一次的サイコパスを見抜く目を養い、二次的サイコパスの被害に巻き込まれないことを意識していくのがよさそうです。

トランプのようなサイコパスは組織のリーダーに多い

サイコパスとは、反社会性パーソナリティ障害で、 一般人と比べて著しく偏った考え方や行動を取り、対人コミュニケーションに支障をきたすパーソナリティ障害の一種です。

サイコパスの主な症状として、感情の一部、特に他者への愛情や思いやりが欠如していることや、自己中心的である、道徳観念、倫理観、恐怖を感じないといったことが挙げられます。

ちなみに、現アメリカ大統領ドナルドトランプも心理学者からサイコパスと考えられています。(ソース

人種差別、毎日15回は嘘をつき、フェイクの共謀論をかざし、非科学的なアドバイスで、新型コロナのパンダミックを広げてしまったりと、サイコパスの特徴が多くみられます。

組織のリーダーのなかに、意外とサイコパスが多いってのは有名な話です(ソース)。

サイコパスは、

  • 支配的
  • 衝動的
  • 相手の感情にこだわらない

という側面があるので、競争社会を生き抜くためには意外と有利だと考えらえます。

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