新型コロナのストレスに立ち向かうにはどんな方法があるの?

オミクロン変異株の勢いもあって、気持ちが落ち込みがちな昨今です。
世界でも「コロナうつ」みたいな現象はよく見られるようで、2021年に発表されたデータ(ソース)では、

  • みんな新型コロナのストレスにどう対処してるのか?
  • 新型コロナのストレスに効く方法って何がいいの?

という2つのポイントを調べた内容になっています。

これはドイツで暮らす979人を対象に、2019年12月から2020年5月にかけて4回のタイミングで調査を行ったものです。

参加者に

  • 皆の生活満足度や感情の変化はどんな感じですか?
  • パンデミックのストレスをどうやり過ごしてますか?

などのような質問を重ねて、どんなテクニックが効くのかを調べています。

ドイツは日本よりも死者数が多いしロックダウンの期間も長いので、ストレスレベルは高そうです。

分析の結果分かった、「パンデミックのストレス対処に役立った6つの方法」とは、

  1. アクティブ・コーピング:役立つ情報や助けてくれそうな人や期間を積極的に探し、問題を解決していくこと。「コロナにできることはないからじっとしてよう」と家にこもるのではなくて、「いまの自分のストレス源は何か?」「自粛生活の何が自分にとってストレスなのか?」を考えて、積極的に解決してこうということです。あたりまえですが、心がけてる人は意外と少ないかもしれません。
  2. 肯定リフレーミング:「コロナで運動できない!友人とも会えない!」みたいにネガティブな側面に目を向けるのではなく、「コロナのおかげでゆっくりできたし、読みたかった本も消化できた」という感じで、現状を肯定的にとらえる手法。緊急事態においては、現実に多少目をつぶってポジティブに考えるも重要でしょう。
  3. 有益サポート:経済的支援、家事援助、育児支援など、他の人に助けてもらうこと。サポート自体がありがたいのはもちろん、そこで生まれる感謝の念がメンタルの維持に大きいと思われます。
  4. 宗教:信心によってストレスを処理した人も多かった模様です。無宗教が多い日本人だとなかなか難しいことですね。
  5. アクセプタンス:「パンデミックは自分じゃどうにもできないからジタバタしないで、いまの自分にできることをしておこう(仕事の種をまいたり、スキルを身につけたりなど)」という感じで、新型コロナを受け入れる方法。
  6. 感情的なサポート:リモートでもなんでもいいから友人や家族と時間を過ごすこと。

以上のように、いずれもストレス対策の基本みたいな内容になっています。

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通勤は仕事に悪影響を及ぼすの?

通勤の弊害については、以前記事にしましたが、離婚率が上がったり、幸福度が下がったりなどの影響があります。

通勤時間が長いと離婚しやすい?!

2021年に出た研究(ソース)は、具体的に「通勤によって仕事のパフォーマンスが下がらない人の特徴とは?」みたいなとこを調べていて参考になります。

これはダートマス大学などの調査で、研究の内容は、

  1. コロナ禍前の1年間に274人へ協力を頼み、フィットネストラッカーやスマートフォンを使って通勤前と通勤後の30分間のデータ集める
  2. そのデータを分析して、職場でのパフォーマンスをチェックする

みたいになってます。

トラッカーで通勤時のデータを集めて、それが個人の仕事のパフォーマンスを予測できるかどうかを調べたわけです。

その結果をおおまかにまとめると以下のような感じです。

  • 仕事のパフォーマンスが低い人は、通勤前、通勤中、通勤後のストレスレベルが高い
  • 仕事のパフォーマンスが低い人は、通勤中に携帯電話をよく使う
  • 仕事のパフォーマンスが高い人は、出勤と退勤の時間に一貫性がある
  • アクティブな通勤(徒歩や自転車)をしている人ほど、職場での生産性が高い傾向がある

だったそうです。

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いつも文句ばかり言ってる人はどんな心理なの?

文句ばかり言ってると嫌われる!というのは世の真理で、すぐ愚痴をこぼす人や常に不満を漏らす人からは、いつの間にか誰もいなくなってしまうのは当たり前な感じです。

俗に「嫌悪強化」と言われる現象です。

ですから、嫌われ者にならずに心穏やかに過ごしたいなら、文句ばかり言う性質は修正したほうが良いわけです。

2021年に出た研究(ソース)は「そもそも文句ばかり言う傾向はどうして生まれるのか?」というポイントを深掘りしてくれてて役に立つと思います。

これはアラバマ大学などの調査で、実験の内容は、

  1. 110人の大学生(平均年齢20歳、90%が女性)を集めて、毎日朝8時と夜8時にアンケートを実施
  2. 参加者がどれぐらいストレスを感じているか? その日に体験しそうなストレスのレベルはどれぐらいだと思うか? などを1週間調べる

となっています。

要するに、朝目が覚めて「今日はこんなトラブルがあるのだろう?」と思う気持ちが、その日の気分や実際のストレス度を左右するのではないか?と研究チームは考えたわけです。

実験の結果は、

  • 「今日はこんな1日になりそうだ」という朝の予測が、その日の夜の幸福度と大きく関係していた。朝の予測が外れて、日中のストレスが予想よりも大きかった人は、1日の終わりに気分や体調が悪くなった
  • 朝に予測したストレスと幸福度の関係には、レジリエンス(ストレスからの回復能力)も影響していた。レジリエンスが高い人は、その日に待ち受けているストレスを過大評価する傾向があったが、同時に「自分はそのストレスをちゃんと対処できる」と判断しており、その結果として思ったよりストレスの影響を受けなかった
  • 朝のストレス予想が外れ、レジリエンスがない人ほど不平不満を言いやすい

となっています。

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メンタルの病が脳に及ぼす影響とは?

心理的ストレスが脳に悪い影響を及ぼすことは知られていますが(ソース)、具体的にどれぐらい脳の大きさに影響するのかを調べた研究(ソース)が出ています。

これは合計112件のデータを精査したメタ分析で、健康な成人4911人とうつ病と診断された5934人を比べて、メンタルと脳サイズの関係について精度が高めの結論を出しています。

その結果は、

  • うつ病のみで他の合併症には悩んでいない人は、海馬の大きさが6.8%減少していた(海馬は記憶力や認知能力にも関わる脳のエリア)
  • 遅発性うつ病患者と複数回のうつ病エピソードを持つ患者ほど、脳の大きさが小さくなる傾向があった
  • うつ病と不安障害を同時に患っていた人では、扁桃体の体積が逆に大きかった(扁桃体は感情のコントロールに関わるエリア)。このような人の扁桃体の体積は、健康な成人に比べて平均3.6%も大きかった

だったそうです。

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