職場で役に立つサイコパスと役に立たないサイコパス

サイコパスには2種類あるという論文(ソース)があります。

昨日書いた記事では、 組織のリーダーとして有能なのかという話でしたが、サイコパスだからと言って全く役に立たないということはありません。

トランプのようなサイコパスは組織のリーダーに多い

これはボン大学の研究で、161人のビジネスマンを調べたものです。

性格テストで全員のサイコパス度を診断したうえで、さらに職場での評判や仕事のパフォーマンス、社交スキルなどもチェックしました。

さらに、参加者の同僚にもインタビューを行い、客観的な職場での評価なども調べたところ、サイコパスには以下の2パターンがいることが分かりました。

一次的サイコパス:大胆不敵で恐れ知らず、自分の道を貫き、結果がどうなろうとも怖がらないので、仕事のストレスにもやたらと強い。

同僚からは「頼りになる」「助けになる」と支持されている。つまり「役に立つサイコパス」と考えられます。

二次的サイコパス:自己中心的で衝動のコントロールが効かず、他人のことを深く考えないためにチームワークを乱す。

当然、同僚からは「面倒なやつ」「近寄らないようにしよう」と思われている。つまり「役に立たないサイコパス」と考えられます。

心理学者のケビン・ダットンによれば、「自己中心的で無責任だけど魅力的で自信家」がサイコパスの大きな特徴だそうですが、この特性が上手く回れば、社会のお役に立つサイコパスになれるのかもしれません。

ちなみに、トランプは、今選挙結果を冷静に判断できず、訴訟という悪あがきをしてるところを見ると、二次的サイコパスと言えそうです。

研究者によれば、

” 必ずしもサイコパスが反社会的な行動を取るわけではない。

彼らの「恐れを知らない」という特性は、ライフセーバーや医師、消防士などの職業で活かすことができる。”

ということです。

「サイコパス 秘められた能力」で有名なケビン・ダットン博士によれば、「サイコパスの脳は仏教僧の脳に近い」ということなので、どちらも合理的な思考力が高く、「今ここ」に生きる考え方が強く、プレッシャーが大きい状況にも強いということなのでしょう。

また、2種類のサイコパスをわける要素としては、

” 一次的サイコパスが同僚から支持されるのは、彼らが「社交スキル」を身につけたときだけだ。

サイコパスのメリットに、他人を喜ばせるスキルを加えるのが大事だ。”

という点です。

おそらくサイコパス自体は中立的な特性で、ここにナルシシズムやマキャベリズム(目的のために他人を搾取)というダークトライアドを構成する性格が加わると、一気にネットの誹謗中傷のように反社会的な活動に向かうのかもしれません。

不安症で、ビビりな人は、おそらくサイコパスの要素は薄いでしょう。

そういう人は、できるだけ一次的サイコパスを見抜く目を養い、二次的サイコパスの被害に巻き込まれないことを意識していくのがよさそうです。