勉強の前に筋トレして記憶力を高める!

運動が脳の機能に良いという記事は過去にもいくつか書いていますが、「一回の筋トレでも長期記憶が上がる」というデータが出ていたので紹介します(ソース)。

1日20分の運動で頭が良くなる!

有酸素運動で記憶力が高まるのは知られていますが、筋トレについてはそれ程知られて面白い研究だと思います。

これはアトランタのGIT(ジョージア インスティテュート オブ テクノロジー)の研究で、具体的には、

  1. 参加者に数枚の写真を見てもらう(「記憶してください」とは指示しない)
  2. その後、半数の参加者に足の筋トレ(レッグエクステンション)を50回やってもらう。残りの半数は筋トレはしない

みたいな感じになっています。

そのうえで2日後に記憶テストをしたところ、

運動していない参加者で写真を正しく認識したのは50%だったのに対して、筋トレをしたグループは60%だった

という結果でした。

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歳を取ると代謝が落ちて昔より太りやすいは本当?!

歳を取ると代謝が落ちる!」ということは良く聞く話です。

若い時は何もしなくても体脂肪が燃えるから食べても太らないけれど、歳を取ると摂取カロリーを消費してくれなくなり、結果として太りやすくなるのではないか、という考え方です。

2021年に出た研究(ソース)では、「人間の総エネルギー消費量は年齢によってどこまで変わるのか?」という点を調べています。

具体的には、

  • 29カ国の6421人(64%が女性)を調査し、自由に暮らしている人の1日の総エネルギー消費量を分析
  • 参加者の年齢は、生後1週間から95歳までのほぼ全寿命

ということになっています。

この研究は、これまでに行われた人間のエネルギー消費に関する調査で最大規模で、類似のデータのなかではもっとも信頼できる内容になっていると考えられます。

参加者の1日の総エネルギー消費量を測定するためには二重標識水(体内での標識の稀釈速度からエネルギー代謝量を測定)を使っていて、この点でも精度が高めです。

分析の結果は、

  • 筋肉量と脂肪量を調整すると、総エネルギー消費量は男女ともに生涯を通じてほぼ変わらない
  • ただし、筋肉の量が多いほどエネルギー消費量は多くなり、成人のエネルギー消費量は60歳くらいまではほぼ一定で、それ以降は減少に転じる傾向が見られる。このパターンは男性でも女性でも変わらないが、それぞれの平均値の絶対値は男性のほうが高い(男性の方が平均して筋肉量が多いから)
  • 筋肉の量は成人期に入ると一定になり、中年から老年期にかけてゆっくり減っていく。体脂肪率は中年期にピークを迎え、その後は一定の傾向を示す(老年期になると筋肉量と脂肪量がまとめて減っていくため、体脂肪率はほぼ同じになる)
  • 加速度計による運動量の研究によれば、中年から老年にかけて身体活動は着実に減る。歳を取ってエネルギー消費量が減るのは、このせいかもしれない

となっています。

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筋トレだけで内臓脂肪は減るのか?

「内臓脂肪を減らすには有酸素運動が効く」ということは良く知られていますが、「筋トレは効果がなさそう」というのが今までの風潮でした。

というのも、2012年のメタ分析(ソース)では、「筋トレをしても内臓脂肪は減らないのでは?」って結論になっているためです。

が、2021年に「本当に筋トレは内臓脂肪には無意味なのか?」という問題を調べ直したデータ(ソース)が出て、テヘラン大学などのチームが新たなメタ分析を行ってくれてます。

どうして新たにメタ分析をやり直したかと言うと、20121年のメタ分析に「データ選びが甘くないか?」という疑問が出てたからです。

なぜなら、かつてのメタ分析では、「カロリー制限の有無にかかわらず筋トレの効果をチェックしていた」という問題があったので、筋トレ自体の効果がわかりづらかったわけです。

結局は、内臓脂肪を減らすためにはカロリー制限が一番ですので。

研究者は過去の研究から34件を選択して、新たなメタ分析を実施しました。

そのデータの内訳は、

  • 参加者は合計2285人
  • 全体のうち、13件は「筋トレ+カロリー制限」と「カロリー制限のみ」の比較、22件は「筋トレ」と「カロリー制限なし」の比較をしていた
  • 実験の期間は2カ月から24カ月
  • カロリー制限を行った研究では、1日の摂取カロリーを250〜1000kcalぐらい減らしたものや、全員に1日800kcalの食事を続けさせたものもあった
  • 筋トレの回数は週に2〜7日であったが、週に3回のトレーニングが圧倒的に多かった(34件中25件)

みたいになってます。

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筋トレ前にスマホを見るとパフォーマンスが落ちる!

メンタルが疲れてると筋トレもはかどらない」 というのは知られた事実です。

脳と筋肉の働きはつながっているので、心が疲れているとトレーニングもうまくできなくなくなるということです。

これは過去の研究(ソース)でも確認されていて、「トレーニングの30分前に認知テストをやると、スクワットのパフォーマンスが15.8%低下する」という報告があります。

ただし、こういう研究では、ストループ課題(文字意味と文字色のように同時に目にする二つの情報の中で、文字の色を答える)などのように現実世界では行わないテストを使っているので、本当にどこまで筋トレに悪影響があるのかはわからないという問題があります。

2021年に出た研究(ソース)では、「筋トレ前にスマホを使うと良くないのか?」を調べていて役に立ちそうです。

具体的には、トレーニング前にSNSを使うと、筋トレのボリュームとモチベーションは変わるのか?をチェックしています。

参加者は一般的な25歳前後の男女16人で、研究の内容は、

  1. 30分間のNASAのドキュメンタリーを視聴した後、15RMでスクワットのテストを3セット行う(1RMは1回で挙げられる最大の重量)
  2. スマホでSNSを30分ほど視聴した後、15RMでスクワットのテストを3セット行う

という2つのパターンで、筋トレの成果に違いが出るかをチェックしています。

筋トレ前にスマホを見ると見ないでは、果たして効果に差があるのかってということですね。

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