ビタミンCは運動の酸化ダメージに効くのか?

疲労回復などに定番のサプリといえばビタミンCで、ビタミンCの抗酸化作用が高いのは良く知られていると思います。

では、「ビタミンCが筋トレや有酸素運動にともなう炎症や筋肉痛を減らしてくれるのでは?」という考え方がでてくるのは自然なことで、「スポーツのあとはビタミンCを取ろう」という主張を見ますし、実際クラブ活動後にレモンを食べたりしてました。

本当にビタミンCは運動のダメージに効く作用があるのか?という問題を調べたメタ分析(ソース)が2020年の3月に出ています。

これは18件のRCT(ランダム化比較試験)をまとめた研究で、参加者は313人で年齢の中央値は24歳です。

そのうちアスリートは13%で、残りは健康的な男女となっています。その他のデータは、

  • ビタミンCの投与量は、1日400㎎から3000㎎までの範囲
  • ランニングやサイクリングの後でビタミンCを飲む場合が多め
  • 実験期間は12件の研究は1週間以上で、最長は28日間
  • 酸化ストレスの指標として脂質過酸化が使われ、炎症の度合いを判定するマーカーにはインターロイキン6とCRP(C-リアクディブ・プロテイン)を採用。筋損傷はクレアチンキナーゼのレベルで評価

などとなっています。

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さびついたタンパク質で体が老け込む!

脂質の酸化で体が老けるという話はよく聞くと思いますが、「タンパク質の酸化は人類の健康への脅威か?」 という論文(ソース)によると、脂質の酸化と同じように「タンパク質の酸化もかなり体に悪影響があるのでは?」という話です。

これは、スペインの研究者がまとめたレビュー論文で、過去に出た「タンパク質と酸化」に関する実験データを検討したものです。

脂質の酸化にくらべてマイナーな話題ですが、ここ十数年でかなり研究が進んできています。

タンパク質のサビが体にダメージを

脂質の酸化を「LOX (lipid oxidation)」と呼ぶのに対して、タンパク質の酸化は「PROTOX(プロトックス)」と呼ばれています。

研究者によると、

” これまでのマウス実験によれば、プロトックスが病気を引き起こすメカニズムはまだはっきりしていない。

しかし、プロトックスが老化にともなう病気(アルツハイマーやパーキンソン病、IBD、リウマチ性関節炎、糖尿病、筋ジストロフィー、白内障など)の発生に中心的な役割を果たしているのは間違いない。”

ということです。

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