一般的に「歳を取ると智慧が増す」みたいなイメージがありますよね。
ウォータールー大学の2012年の実験(ソース)は、「日本人は歳をとっても智慧が増えないのでは?」という結論がでています。
ここでいう「智慧」はたんに知識がある状態(知恵)ではなくて、複数の視点を持てるとか、個人的な知識の限界を理解しているとか、妥協の重要性を認識しているといった能力のことです。世間でうまくやっていくのに欠かせない能力(TPOにあわせて知識を正しく運用できる状態)とでも言えます。
調査の内容は、
- 日本人186人とアメリカ人225人を集める
- みんなに集団トラブルや人間関係に関するテストを実施して「智慧」のレベルを測る
- 年齢によって智慧に違いが出るのかを調べる
みたいになってます。
ここから学歴や収入などの要素を調整すると、以下のような傾向が見られました。
- アメリカ人は、歳を取るほど智慧が高くなっていた(集団トラブルに関するテストの成績は25歳が45点で55歳が75点)
- 日本人は、歳を取っても智慧は高くならなかった(集団トラブルに関するテストの成績は25歳が51点で75歳が51点)
ということで、なぜか日本人は年齢が智慧に反映されないのかも?ということでした。
不思議な結果ですけど、考えられることとしては、
- 日本は集団主義が強い国なので、もともと若い頃から対人トラブルを回避するように行動するから?
- 逆にアメリカは人種のるつぼなので、歳を取るごとに対人トラブルの経験値を積みやすいから?
みたいなことが原因と考えられそうです。
智慧のレベルにも環境差があるってのは興味深いです。
ある意味、日本でオレオレ詐欺が老人相手に横行しているのは智慧のレベルが高くないから?かもしれません。