「意見を変えない頑固な人」というとなんだか困った人のような印象がありますが、「実は相応のメリットもある!」といった内容のデータ(ソース)が出ています。
「イヤなやつほど仕事がデキる」で有名なフランチェスカ・ジーノ教授の研究です。
研究の内容は、まず実験の参加者を「起業家」と「投資家」の役に割り振ったうえで、以下のような指示をしてます。
- 起業家を演じるグループ全員に「自分のビジネスアイデアを揺るがす情報」を見せる
- 起業家グループを半分にわけ、一方には「自分の意見を変えた!」と表明してもらい、残りには「自分の意見は揺らがない!」と表明させる
- その姿を投資家グループに見せて、どんな印象を抱いたかを採点してもらう
という感じです。
意見を簡単に変えた人と変えない人では、第3者からの印象にどのような違いがあるのか?という問題ですね。
その結果をまとめると以下のようになります。
- 意見を変えた人に対して、多くの参加者は「この人は自信はないが頭はいいんだろうな」と判断した
- 意見を変えなかった人に対して、多くの参加者は「この人は知性はいまいちだが自信に満ちあふれてるな」と判断した
つまり意見を変えないことにも一定のメリットがあるのではないか?ということです。
実際、この研究では、以下のような結果も出てたりします。
- 頭の良さが重視される仕事(応用化学とか)では、意見を変えた人を「重んじるべきだ!」と判断されるケースが多かった
- 自信の高さが重視される仕事(スピーカーとか)では、意見を変えない人も重んじられた
ということで、こちらも納得の内容ではないでしょうか。
意見を変えることに対してどう思うかは、その時の状況に左右されるわけです。
要するに、この研究が正しいならば、
- 知性をアピールしなければならない場面では、ちゃんとした根拠があれば意見を変えたほうが良い
- 自信をアピールしなければならない場面では、意見を簡単に変えないほうが良い
と言えそうです。
現実には知性と自信を同時にアピールする場面もあるので、のさじ加減は難しいところです。