文法警察ってどんな人達なの?

文法警察って聞いたことありますか。

「てにをは」を間違った文章に皮肉なコメントを付けたり、英語系サイトの文法ミスをバカにしたりと、とにかく他人の文法ミスに厳しいタイプのことです。

Grammar Police とか Grammer Naziとか英語で呼ばれています。ネット上などで文法を厳しく取り締まる人を茶化した呼称です。

日本でも、ネットで議論してると、漢字の変換ミスや細かい文法の間違い、イディオムの誤用を指摘する人ってよく居ると思いますが、議論の本質とは全く関係ないのが特徴ですね。

2022年のデータ(ソース)は、「文法警察に特有の性格はあるのか?」という点を調べています。

これは83人の男女を対象にしたテストで、

  1. 簡単なタイプミス(「mkae」とか「abuot」みたいな)と文法ミス(to/too、it’s/its、your/you’reなど)が含まれる、同居人募集のチラシをみんなに読んでもらう
  2. その後、みんなに文法の間違いに気付いたかどうか、どれぐらい気になったかを尋ねる

って感じで、全員の文法警察ぶりをチェックしました。

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セレブ好きな人は知性が低いかもしれない?!

芸能界のゴシップを追ったり、セレブに夢中になるような人は、認知機能が低いのではないか?という疑問を持ったことはありませんか?

2021年に「セレブ好きは知性が低いのでは?」というデータ(ソース)が出ていて簡単に紹介したいと思います。

これはハンガリーの成人1763人を対象にした調査で、

  1. みんなに30単語の語彙力テストと数字記号の置き換えテストをしてもらう
  2. その後、全員がどれぐらい有名人に関心があるかをアンケートで調べる

という感じで各人の頭の良さとミーハーレベルを照らし合わせています。

有名人への関心レベルは、「好きな有名人の個人的な習慣を知りたい」

「好きな有名人の人生の詳細に夢中になることがある」

「好きな有名人から違法なことを頼まれたら、私はおそらくそれをするだろう」

みたいな事に賛成するかどうかという点を調査しています。

違法なことに手を染めるかどうかって、すごい質問ですね。

結果をまとめると、以下のような感じです。

  • ミーハーテストで高得点を取った人ほど2つの認知能力テストの成績が悪かった
  • 有名人好きと認知テストの低さが関係する理由はよくわからない

となっていて、セレブ好きの人の認知が低い傾向はあるのですが、その理由は不明です。

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コーヒーと緑茶はどちらが健康的効果があるの?

コーヒーと緑茶にはどちらもすばらしい健康的なメリットがありますが、どちらがより健康的なのでしょうか?

2021年に出たデータ(ソース)によると、「コーヒーとお茶のどちらが脳に良いか」についての研究で、脳卒中や認知症など、おもに脳にかかわるメリットについて調べています。

これは36万5682人の男女を対象にした研究で、

  • コーヒーまたはお茶をよく飲む人(50歳から74歳)を、中央値で11.4年にわたって追跡したもの。コーヒーおよびお茶の摂取量は、ベースライン時に自己申告された
  • 参加者がどれぐらい脳卒中および認知症にかかったかを調べる

となっています。

それを踏まえて、年齢、性別、喫煙状況、運動量などを調整したところ、結果は以下のようになりました。

調査の期間中に確認された脳卒中は1万53件(対象者の2.8%)、認知症は5079件(1.4%)

  • 脳卒中のリスク

    • コーヒーを1日0.5〜4杯以上飲む人は、脳卒中のリスクが8%から12%ぐらい低下した
    • お茶を1日2〜4杯以上飲む人は、脳卒中のリスクが16%ぐらい低下した
  •  虚血性脳卒中のリスク

    • コーヒーを1日0.5〜3杯飲む人は、 虚血性脳卒中のリスクが12%から13%ぐらい低下した
    • お茶を1日2〜4杯以上飲む人は、 虚血性脳卒中のリスクが12%から13%ぐらい低下した
  • 認知症のリスク

    • コーヒーを1日2〜3杯飲む人は、 認知症のリスクが7%ぐらい低下した
    • お茶を1日4杯以上飲む人は、 認知症のリスクが11%ぐらい低下した
  • 血管性痴呆症のリスク

    • コーヒーを1日4杯以上飲む人は、血管性痴呆症のリスクが22%ぐらい低下した
    • お茶を1日2〜4杯以上飲む人は、 血管性痴呆症のリスクが25%から26%ぐらい低下した

ということで、お茶とコーヒーはどちらも脳卒中リスクを下げるし、脳機能が下がるのも防いでくれるという結果でした。

さらに特筆すべき事項として、

  • コーヒーだけ、またはお茶だけを飲む場合と比較して、両方を飲む場合は、脳卒中(-11%)、虚血性脳卒中(-11%)、認知症(-8%)、血管性認知症(-18%)のリスクがさらに低くなる
  • コーヒーにせよお茶にせよ、どちらも1日4杯以上を飲んだとしても、脳にあたえるメリットが増えるわけではない

点があげられています。

コーヒーとお茶は両方とも飲んだらメリットはさらに大きくなる」という結論になりそうです。

ですが、この研究にはいくつかの限界があって、

  • コーヒーおよびお茶の摂取量は自己申告によるものなので、1日にどれぐらい飲めばいいのかについては不確実なところが多い。このタイプの研究では、だいたい自己申告の摂取量にはずれがある
  • コーヒーとお茶の摂取量は、研究のスタート時にだけチェックしていて、その後の人生で摂取量が変わったかどうかは考慮されていない
  • あくまでも観察研究なので、ここで確認された結果は、睡眠習慣や遺伝的素因など、調整されていない要素の影響を受けている可能性はある

という点も留意しておく必要があります。

とは言っても、以上の限界をふまえてもコーヒーやお茶が脳に良いのは間違いなく、その理由としては、

  • コーヒーに含まれる、クロロゲン酸、トリゴネリン、ジテルペン類(特にカフェストルとカフエオール)、メラノイジンなどの効果が大きい
  • お茶に含まれるカテキン類(特にEGCG)の効果が大きい

という点になります。

いずれの成分も、一酸化窒素の生成に役立ち、そのおかげで脳卒中や認知症のリスクが下がると考えられています。

また、コーヒーとお茶の両方を対象とした数少ない研究(ソース)では、どちらか片方を飲むよりも両方を飲んだほうが全死亡リスクが減るという結論もありますから、ぜひともダブルで摂取していきたいところですね。

新型コロナのストレスに立ち向かうにはどんな方法があるの?

オミクロン変異株の勢いもあって、気持ちが落ち込みがちな昨今です。
世界でも「コロナうつ」みたいな現象はよく見られるようで、2021年に発表されたデータ(ソース)では、

  • みんな新型コロナのストレスにどう対処してるのか?
  • 新型コロナのストレスに効く方法って何がいいの?

という2つのポイントを調べた内容になっています。

これはドイツで暮らす979人を対象に、2019年12月から2020年5月にかけて4回のタイミングで調査を行ったものです。

参加者に

  • 皆の生活満足度や感情の変化はどんな感じですか?
  • パンデミックのストレスをどうやり過ごしてますか?

などのような質問を重ねて、どんなテクニックが効くのかを調べています。

ドイツは日本よりも死者数が多いしロックダウンの期間も長いので、ストレスレベルは高そうです。

分析の結果分かった、「パンデミックのストレス対処に役立った6つの方法」とは、

  1. アクティブ・コーピング:役立つ情報や助けてくれそうな人や期間を積極的に探し、問題を解決していくこと。「コロナにできることはないからじっとしてよう」と家にこもるのではなくて、「いまの自分のストレス源は何か?」「自粛生活の何が自分にとってストレスなのか?」を考えて、積極的に解決してこうということです。あたりまえですが、心がけてる人は意外と少ないかもしれません。
  2. 肯定リフレーミング:「コロナで運動できない!友人とも会えない!」みたいにネガティブな側面に目を向けるのではなく、「コロナのおかげでゆっくりできたし、読みたかった本も消化できた」という感じで、現状を肯定的にとらえる手法。緊急事態においては、現実に多少目をつぶってポジティブに考えるも重要でしょう。
  3. 有益サポート:経済的支援、家事援助、育児支援など、他の人に助けてもらうこと。サポート自体がありがたいのはもちろん、そこで生まれる感謝の念がメンタルの維持に大きいと思われます。
  4. 宗教:信心によってストレスを処理した人も多かった模様です。無宗教が多い日本人だとなかなか難しいことですね。
  5. アクセプタンス:「パンデミックは自分じゃどうにもできないからジタバタしないで、いまの自分にできることをしておこう(仕事の種をまいたり、スキルを身につけたりなど)」という感じで、新型コロナを受け入れる方法。
  6. 感情的なサポート:リモートでもなんでもいいから友人や家族と時間を過ごすこと。

以上のように、いずれもストレス対策の基本みたいな内容になっています。

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