感謝の気持ちをきたえて幸福度をあげる6つの方法!

感謝の気持ちには様々なメリットがあります。

などのデータがあり、どうやら感謝の気持ちを持って生活している人は幸福度が高く、心理的な問題も抱えにくいみたいです。

で、2020年のデータ(ソース)は、「感謝の気持ちは1日15分で鍛えられる」という結論になってて興味深いです。

これはトゥエンテ大学の研究で、研究チームによれば、

” これまでの研究では感謝について様々なメリットが言われてきたが、感謝の気持ちを鍛える方法については十分なデータがなかった、そこで我々は、6週間のトレーニングで効果を研究することにした。”

とのことです。

感謝のメリットは十分なほど認められているものの、この気持ちを育てていく方法については、まだまだリサーチが手薄だったということですね。

研究チームは217人の参加者を集めまして、全体を3つのグループに分けています。

  1. 1日15分ずつ感謝のトレーニングを行う
  2. 1週間のうちに自分のためになることを5つ行う
  3. 特に何もしない

トレーニングの期間は6週間で、ここで採用された「感謝のトレーニング」は週がわりで指示されていて、

  1.  その日にあった「感謝できること」を日記につける
  2.  自分の人生を思い描きつつ、「いま当たり前のことが当たり前でなくなったら?」と想像して紙に書き出す(「蛇口からキレイな水が出なかったら?」とか「洗濯機がなかったら?」とか)
  3.  友人に感謝の言葉を伝えたりなど、他人に感謝の気持ちを表現する
  4.  自分の人生で感謝できる人や出来事について、できるだけ細かく書き出す
  5.  人生で起きた辛いことを思い出し、その体験から学んだことや、ためになったことを書き出す
  6.  朝起きたら「今日は感謝の態度をたもちながら行動するぞ!」と自分に言い聞かせてから行動する

といった6つの方法が取り上げられています。

そして、6週間後と3カ月後の2つの時点で効果をチェックしたところ、

  • 感謝のトレーニングを行なったグループは、他のグループよりおよそ10〜20%ほど幸福度が高くなった
  • 感謝のトレーニングをしたグループの幸福感アップ効果は、訓練後6カ月後までキープされた

という傾向が見られたとのことです。

具体的にどのトレーニングが効いたかは不明ですが、1日15分にしては良い成果ではないでしょうか。

幸福度アップの手法としては試す価値があるかと思います。

ちなみに、トレーニングを行う際の注意点として、チームは以下のようなポイントを守るように言っています。

”感謝のトレーニングは、その場ですぐに幸せになるためのメソッドではない。感謝のトレーニングは、人生に対する新しい態度を育てるために行うって欲しい。”

”感謝の心が育つと、人生は「いまの状態で当たり前」なものではなくなり、この姿勢が私たちの態度をより柔軟にしてくれる。”

「感謝」は気分を改善するためのお手軽なTipsではなく、脳内の状態を書き換えるような作業なのでしょうね。

さらにもうひとつのポイントは、

”感謝を行う際には、ネガティブな経験を無視してはいけない。

人生の困難や心理的な痛みを認めつつ、人生の良いところに感謝するのが重要だ。これこそ心理的なレジリエンスの本質と言える。”

とも言っています。

人生には苦痛やトラブルがつきものなので、これを無視して感謝だけしても、リアリティにもとづかないから意味がないという話です。

これも非常に大事なポイントかと思います。

自分の印象を良くするには、会話中の返事は早めが良い?!

人はだいたい数秒で他人への印象を形成し、その判断はおおむね正しいって報告はよくあります。

ジェームズ・クック大学のデミング・ワン教授らによる2022年の研究(ソース)も「他人の性格を見抜く方法」に関係する話で、参考になるかと思います。

結論としては、

多くの人は「返事のスピード」で、その人の内向性を判断している!

となっていて、研究チームによれば、

”人は本を表紙で判断する傾向があり、他者を判断する際に、外見、ボディランゲージ、声の抑揚、表情といいた表面的な手がかりに頼る傾向がある。”

つまり、実際の話の内容よりも、こちらの質問に対してどれぐらいのスピードで返事をするかで性格を判断している人はとても多いのではないかということです。

というのも過去の研究では「内向的な人は自分なりの答えを出すのに時間がかかるため応答スピードが遅くなりがち」という傾向が報告されています。

それで私たちは「応答スピード」を内向性の指標にしているのかもしれません。

応答スピードによる印象の違いは、

  • 応答反応が早い=誠実で自信があり、友好的で”良い人 “に思われやすい。

  • 応答反応が遅い=会話にためらいがあり、神経質で受動的に思われやすい。

みたいになります。

会話の応答が遅いと、相手にあまり興味がないような印象を与え、それが「この人は内向的だ!」って判断につながるようです。

本人は熟考してるだけなのですが、人によっては傲慢な印象を持ったり、人によっては気難しい人間だと思ったりされがちのようです。

ということで、研究チームは、14パターンのオンライン実験をやっていて、参加者に架空のシナリオを提示して、その主人公をどんな性格だと思うかを調べました。

続きを読む

不眠は認知行動療法で10年間で改善するのか?!

認知行動療法は、

ものの見方を変えてストレスを減らしていく治療法のことです。

例えば、

仕事で失敗すると、「私はダメな人間だ」といった考え方が自動的に浮かんで気持ちが落ち込む時、

そこで「『私はダメな人間だ』という思考が浮かんだ」と考えて自分を客観視し、「誰でも失敗はある」という現実的な考え方に切り替えるといった手順で進んでいく、シンプルな手法です。

で、認知行動療法が不眠に効くのがなぜかと言えば、ざっくり「眠れないのは考え方の歪み」が原因であるケースがよくあるからです。

「ここのところずっと眠れてないから今日も眠れないだろうな」とか「いつも体は疲れてるのに眠れないんだよな」とか、そういった思い込みに取りつかれてしまい、そのせいでいよいよ眠れなくなってしまうようなパターンです。

2022年に出た研究(ソース)も「認知行動療法が不眠にどこまで効くのか?」という点を掘り下げていて参考になると思います。

これは、2012年に発表された6週間のRCTにもとづく縦断的研究で、不眠症と診断された133人(平均年齢48歳)を集めて、

  1. 認知行動療法を不眠症に使う方法が書かれた本を渡して、6週間ほどトレーニングする
  2. 認知行動療法を不眠症に使う方法が書かれた本を渡し、さらにガイド付きセラピストのサポートをつけて、6週間ほどトレーニングする

って2つのグループに分けました。

ちなみに、米国精神医学会の定義によると、不眠症は「少なくとも3ヶ月間、週に3晩以上、睡眠を開始または維持できず、その結果、日中の機能不全に陥る状態」だそうです。

また、なんの治療もしないと不眠症は持続しやすいことも分かっていて、1年から10年ほど患者さんを追跡したコホート研究では、31~74%の症例で不眠症が長期にわたって残存するそうです。

続きを読む

買い物依存症ってどう対処すればいいの?!

「なんかつい買い物をしてしまう」という経験は、誰にでもあると思いますが、慢性的に買い物してないと気が済まないとなると買い物依存症の可能性があります。

2022年アイオワ大学から出たレビュー(ソース)では、「買い物依存」は、どう対処すればいいのか?という問題を扱っていて、参考になると思います。

買い物依存症は、なんか物を買ったり、お金を使うことに夢中になってしまう状態で、最近ではギャンブル依存症などと同じような、行動依存症の一種として扱われています。

具体的に言うと、

  • 商品を買いたくなる衝動が抑えられない
  • 予想していたよりも多くの時間やお金を買い物に費やしてしまう
  • 商品を買ったのに、意図した目的には使わない
  • 良い気分になるために買い物をする(あるいは緊張や退屈をやわらげるため)
  • 買い物の結果、否定的な結果や感情を経験する(罪悪感、恥、借金など)
  • 買い物をやめようとすると、否定的な気分や考えが出る(不安、焦燥感、怒り、心配など)
  • 否定的な結果にもかかわらず、買い物がやめられない。

みたいになります。

とにかく、買い物がやめられないせいで、自分の感情と私生活に問題が起きてしまうわけです。

これが高じると、借金、破産、さらには万引きなどの犯罪につながったりするので、恐いですね。

昔アメリカの女優ウィノナ・ライダーがSaksで万引きしたというニュースがありましたが、精神的に何か問題を抱えていたのかもしれません。

日本でどれぐらい買い物依存がどれぐらいるかは分からないのですが、アメリカだと全人口の2〜8%と推定されてるそうで、結構な数がいます。

ちなみに、買い物依存が起きる原因はいろいろありますが、

  • 子供の頃に親から虐待やネグレクトを受けている
  • 感情的に反応しない親に育てられた
  • 最初は金持ちだったのに、途中で貧しくなった家庭で育った
  • 不安障害や気分障害などのメンタルの問題がある

といった点が指摘されています。

要するに、買い物依存ってのは、ショッピングによって自尊心を高め、失われた重要性を獲得するための代理行動なわけです。

続きを読む