「なんかつい買い物をしてしまう」という経験は、誰にでもあると思いますが、慢性的に買い物してないと気が済まないとなると買い物依存症の可能性があります。
2022年アイオワ大学から出たレビュー(ソース)では、「買い物依存」は、どう対処すればいいのか?という問題を扱っていて、参考になると思います。
買い物依存症は、なんか物を買ったり、お金を使うことに夢中になってしまう状態で、最近ではギャンブル依存症などと同じような、行動依存症の一種として扱われています。
具体的に言うと、
- 商品を買いたくなる衝動が抑えられない
- 予想していたよりも多くの時間やお金を買い物に費やしてしまう
- 商品を買ったのに、意図した目的には使わない
- 良い気分になるために買い物をする(あるいは緊張や退屈をやわらげるため)
- 買い物の結果、否定的な結果や感情を経験する(罪悪感、恥、借金など)
- 買い物をやめようとすると、否定的な気分や考えが出る(不安、焦燥感、怒り、心配など)
- 否定的な結果にもかかわらず、買い物がやめられない。
みたいになります。
とにかく、買い物がやめられないせいで、自分の感情と私生活に問題が起きてしまうわけです。
これが高じると、借金、破産、さらには万引きなどの犯罪につながったりするので、恐いですね。
昔アメリカの女優ウィノナ・ライダーがSaksで万引きしたというニュースがありましたが、精神的に何か問題を抱えていたのかもしれません。
日本でどれぐらい買い物依存がどれぐらいるかは分からないのですが、アメリカだと全人口の2〜8%と推定されてるそうで、結構な数がいます。
ちなみに、買い物依存が起きる原因はいろいろありますが、
- 子供の頃に親から虐待やネグレクトを受けている
- 感情的に反応しない親に育てられた
- 最初は金持ちだったのに、途中で貧しくなった家庭で育った
-
不安障害や気分障害などのメンタルの問題がある
といった点が指摘されています。
要するに、買い物依存ってのは、ショッピングによって自尊心を高め、失われた重要性を獲得するための代理行動なわけです。
それでは、買い物依存はどのようにやわらげればいいのか?ということが気になりますが、薬物療法などもよく使われるものの、
集団心理療法がもっとも有望な治療法である!
ってのがいまのところの結論らしいです。
これは認知行動療法(CBT)のテクニックを使うやり方で、たとえば、「やばい買い物をしてしまうきっかけの特定」や「ストレス管理」といった方法が使われるそうです。
といっても、自分が買い物依存かどうかを自己診断するのは難しいので、 自分のショッピングについて「買い物のせいで人生の満足度が下がってないか?」とか気になる場合はセラピストに相談するほうが良いと思います。
また、頻繁に買い物をしたり、お金をたくさん使ったりするのは誰にでもあることで、だからと言って依存症だとは判断できないので、注意が必要です。
実際、「ボーナスが出たから爆買いした!」レベルならよくある話で、あくまで慢性的に買い物へ依存するのが問題なので、衝動買いぐらいでは依存症とは言えないです。