ダメダメ言いすぎると自己肯定感が低くなる!

2018年の国立青少年教育振興機構の高校生を対象にした調査によると、「自分は価値のある人間だ」という質問に対して、「Yes」と答えた日本人は約45%でした。

ちなみに、韓国は83.7%、中国は80.2%、アメリカは83.7%です。

多少自己謙遜があったとしても少ないですね。

どうして自己肯定感が低いのか?

自己肯定感とは、「自分は出来る」と信じている感覚で、失敗してもチャレンジを繰り返し、成功体験を積み重ねることで何となく自分は出来ると思ってた「根拠のない自信」を「根拠ある自信」に変えていく力だと考えます。

日本では「他人に迷惑をかけない子に育ってほしい」と思う母親の多さは異常なくらいで、この考え方は、子どもの自己肯定感を高めるのに必要な「自主的な行動を通した成功体験」を積ませることとは相反する考えです。

ベネッセコーポレーションが日本、韓国、中国、台湾の母親に行なった「子どもに期待する将来像」という調査で「人に迷惑をかけない人になってもらいたい」と答えた割合は、日本71%、韓国24.7%、中国4.9%、台湾25%でした。

「人に迷惑をかけない人になってもらいたい」というのは「まわりと同じであってほしい」「目立つ存在にならないでほしい」という心理が母親に働いていると受け取られます。

子どもが「出る杭」にならないように、いじめや仲間はずれの対象にならないように、子どもを守ることが目的であり、「日本社会」で生き残る子どもに育てるための母性本能かもしれません。

でも、子どもが「出る杭」にならないように育てるというのは、「個性を抑え、集団に合うように行動をコントロールすること」です。

つまり、自主的な行動を通して「自分はできる!」という成功体験を積ませることとは矛盾してしまうのです。

子供にとっては「あれはダメ、これをやってはダメ」と母親に言われることで自主的な行動を取ることが出来ず、

「失敗するのではないか」という不安感が目の前に大きく立ちはだかり、新しい挑戦がしにくい、人生に対して消極的になってしまうのではないでしょうか。

連帯責任という強迫観念

江戸時代、武士は「すべてはお家のため」と、主君に忠誠する態度、個をおさえこみ全体を活かす思想を持つことが理想とされていました。

この価値観の裏に仕掛けられていたものが「連帯責任」という強迫観念です。

一人の不始末が全体の責任となりますから、ひたすら個を抑えてまじめで従順であることが善とされたのです。

一人が不始末をしたら野球部全体で責任を取るという、今も学校の野球部などもありますよね。

武士だけでなく江戸時代の町村は「五人組」という制度によって管理されていて、互いに連帯責任で年貢納入や犯罪取り締まりなどを行なっていました。

これもまた連帯責任ですので、トラブルを起こし、まわりに悪い影響を与える秩序を守らない人との交際を村全体が絶つという習慣が村八分として今も一部存在しているのです。

ダメ、ダメ言い過ぎる日本人の母親

デパートやお店などで「さわっちゃダメ!」、「そっち行っちゃダメ!」と子どもの後を追いかけましている母親がいると思います。

子どもからすれば、お家以外の場所、デパートなどには見たこともないモノが一杯あって、見ればさわってみたくなるのが人の常です。

でも母親は「お店に迷惑をかけないように」、「まわりの人の迷惑にならないように」と、子どもの行動を抑制します。

自己肯定感には「自分の意思でやれた!」という感覚が重要だけど、世間がうるさい日本では「ちゃんとしつけなければいけない」というプレッシャーが大きく、その結果、子どもの行動をコントロールする方が多くなってしまうと思います。

子どもの自発的な行動を、親や周囲の大人や社会全体が、もう少しおおらかな目で見守ることが子どもたちの自己肯定感の向上に役に立つのではないでしょうか?

世の中のルールも常識も知らない子どもですから、失敗したり、間違ったり、迷惑をかけるのはある程度仕方ないのです。

放任ではなく、自主性を伸ばせる環境を与える。

だからと言って子供を放任することではなく、自主性を伸ばせる環境や機会をもっと作ってあげたらどうかということです。

たとえば「走り回りたい!」というのは、子供にとって自然な欲求なので、デパートのかわりに公園などに連れて行き、思い切り走らせてあげるのがいいのではと思います。

子どもの自己肯定感を育てるには「干渉を減らすこと」が、一番早い方法です。

自宅や、祖父母、友人の家など、安全で、子どもが自由に行動できる環境で遊ぶ機会を増やしてあげること、そして公共の場では静かにすること、を「ダメダメ」という形でなく教えてあげると良いです。

そして、自分でブロックが作れた、自分で絵が描けた、自分でおもちゃを片付けられた、という小さな達成を親は見逃さずに「よくできたね」ってほめてあげると、子どもは成功を実感することができます。

まとめると、

子供に対してだけでなく大人になってもあれはダメ、これはダメと色々ダメダメ規則が多く基本的に人をコントロールしがちな傾向があります。

で何かすると周りが気になって、何かをチャレンジすることが怖くなってしまうと思います。

一旦そんな大人になると変化するのは難しいので、子供頃から自己肯定感をつけて、色々なことにチャレンジしてほしいです。

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