問題解決能力を上げるにはマルチプルアイデンティティ!

自分に関して複数のアイデンティティを考えると問題解決能力が上がるということが確認されています。

これはデューク大学などの調査(ソース)で、3つのテストを通して「アイデンティティと創造性」の関係について調べています。

まずひとつ目の研究では、6〜7歳の子供48人を集めて2つのグループに分けました。

  1. アイテンディティ群:自分が持つ社会的アイデンティティについて考えてみる(「Aさんの友人」とか「娘」とか「学級委員」とか)
  2. コントロール群:自分の身体的な特徴について考える(「背が高い」とか「足が長い」とか)

その後、すべての子どもたちに対して、問題解決力が必要なタスクを4つほど行うように指示しました。具体的には、

  • 「レゴが入ったボウルを持った熊が、木の上にあるハチミツを手に入れる方法を考えてみて。レゴを組み立てても足場にはならないから注意して」と指示する
  • 「ここにある金の箱の新しい使い道をいろいろ考えてみて」と指示する
  • 「16人のポートレート写真を、できるだけいろんな方法でグルーピングしてみて」と指示する

という感じです。

全体的には「どれだけ斬新なアイデアを思いつけるか?」ということを試す内容です。

その結果は一貫して、

すべてのタスクにおいて、アイデンティティ群はコントロール群の子供よりも成績が良かった

たとえば、クマのパズルに正解した子供の割合は、アイデンティティ群が約50%だったのに対し、コントロール群はわずか12.5%だった

ということです。

自分が持つ複数のアイデンティティのことを考えたグループは、それだけで問題を解決する力が上がるということですね。

さらに、数十人の子どもを対象に2件の追跡調査を行い、わかったことは、

他人の複数のアイデンティティについて考えてみても、同じようなメリットは得られない

自分の複数のアイデンティティについて考えるときは、より明確な表現をした方がパフォーマンスは上昇しやすい(たとえば、「自分は読書が好き」じゃなくて「自分は読書家だ」と考えた方が問題解決力が上がる)

とのことです。

とにかく自分が持つアイデンティティを明確に考えるほど効果は高まるわけです。

研究チームによれば、

”ある人は自分のことを「女性または白人」と定義し、またある人は自分を「教師と親」と定義するかもしれない。

しかし、おそらく自分が持つ複数のアイデンティティを熟考する人は少ないだろう。

ところが、自己が持つ複数のアイデンティティについて考えると、思考の柔軟性が高くなり、問題を創造的に解決できる可能性が高くなる。”

ということです。複数のアイデンティティを考えることで創造性が高まる理由は、

いろんな視点でものごとを考えられるようになるから

です。自分のことを「日本人の女性だ」としか思ってなければ日本人の女性の立場だけしか考えられませんが、自分のことを「日本人の女性で、アメリカ在住で、ビジネスアナリストで、ブロガーで。。」という感じで複数に定義していけば、そのぶんだけ思考の幅が広がっていきますね。

”この発見は、人種や社会的アイデンティティに関係なく、誰もが多面的な考え方から恩恵を受けられることを意味している。

自分のアイデンティティを多角的に考えるという単純な行為により、もっと創造的にものごとを捉えられるようになる。”

ということで、定期的に自分が持つ社会的なアイデンティティを書き出してみると良い感じですね。

この実験によれば、ちょっとアイデンティティについて明確に考えるだけでもいいようなので、手軽な手法で試してみるといいのではないでしょうか。

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