悪趣味ギャグマンガと知能の関係
「悪趣味な笑いが好きな人は頭がいい!」というおもしろい研究(ソース)が2017年にでています。
これは ウィーン医科大学の実験で、平均年齢は33才の156人の男女が対象となっています。
実験ではドイツの有名な風刺マンガ家の作品をいくつか見てもらい、それぞれの理解度と「どれだけ楽しんだか?」をチェックしました。
そのうえで、全員のIQや教育レベルと比較したそうです。
実験で使われた悪趣味ジョーク
風刺マンガの内容は、
- ある外科医が、手術室で切り裂いた死体の胸に手を突っ込んでいた。そのそばにいた別の外科医が、スーツの男に状況を説明している。「検死はすでに終わってます。彼は腕時計を探してるだけです」
- 妊娠中の女性に、医師が検査の結果を説明している。「最初に良いニュースがあります。あなたの子供は、今後パーキングスペースに困ることはありませんよ」
- サンタクロースの前に、プレゼントを欲しがる動物の列ができていた。サンタはペンギンに魚をあげ、犬にビスケットをあげ、猫にはツナをあげた。すると、最後にサンタの手にはチーズだけが残った。あれ?「チーズが欲しい」と手紙を書いてきたのは誰だったんだろう?
みたいな感じです。確かにどれもちょっとブラックって感じですね。
悪趣味ジョークが好きだとIQが高くてメンタルも安定
それで、分かったことは、
悪趣味ジョークが好きな人ほど
-
- 言語性IQと動作性IQのどちらも高い
- 高い教育を受けているケースが多い
- 攻撃性の数値が低い
- 気分も安定している
となっています。
「冗談が上手い人は頭がいい」ということは、よく聞きますが、悪趣味なジョークが好きな人はメンタルも安定してるというのは意外ですね。
また、悪趣味ジョークが苦手な人は、
- IQは平均値
- 攻撃性の数値がわりと高め
- ネガティブなムードになりがち
という感じだったということです。攻撃的なジョークが苦手だからって、別に優しい性格ってわけでもないということです、不思議ですね。
ブラックユーモアが脳に良い
なぜブラックユーモアが好きな人がIQが高いのかという理由は、
- 悪趣味なジョークを理解するには複雑な情報を処理する必要がある
- 気分が沈んだ状態のときはジョークを理解する能力が下がる
ということだそうです。
脳の性能がいいとネガティブな感情が起きくいということと(ソース)ともちょっと重なるかもしれません。
だからといって「悪趣味なジョークを見れば頭が良くなる」ということではないでしょうが、ブラックユーモアはある程度の脳にとって良いトレーニングになるかもしれないですね。