砂糖水で口をゆすぐだけで、やる気がアップする!

2012年とちょっと前なのですが、「砂糖水で口をゆすぐだけでモチベーションがあがる!」という研究結果(ソース)が出ていて、興味深いです。

糖分を摂ると意志力がアップするという話は昔からあるのですが、実は本当に飲まなくてもいということなのですね。

これはジョージア大学の実験でして、まず51人の学生たちを2つのグループにわけて、事前に以下の作業をやってもらいました。

    1. 砂糖水で口をゆすぐ
    2. 人工甘味料で口をゆすぐ

その上で、「統計の教科書に出てく“E”の文字にバツ印をつけ続ける」という退屈なタスクをこなしてもらいました。

要するに、参加者の意志力を減らしたうえで、糖質の効果をチェックしたわけです。

すると、不思議なことに、砂糖水で口をゆすいだ学生のほうが作業スピードが激しく速くなったらしいです

これは単純に脳に糖分が補給されたからではなくて、

  1. 砂糖水が舌の炭水化物センサーを刺激する
  2. 脳のやる気センサーにシグナルが送られる
  3. 脳が体に注意力を高めるように指令を出す

という仕組みになっていると考えられています。

糖質を体内に入れなくても、舌で砂糖の甘みを味わうだけでも大丈夫というのは、糖質制限している人や砂糖を摂らない人にとってはありがたい話ですね。

人工甘味料だとやる気が出ないあたりも興味深いところです。偽物には騙されないということでしょうか。口に含むだけで飲む必要はないので気軽に試せそうです。

やる気をキープさせるためにはタスクシフトが大事

意志力は、目の前の欲望を抑えて長期的なタスクに取り組める能力のことです。要はセルフコントロール能力と同じですね。

これまで「WILLPOWER 意志力の科学」などでは「セルフコントロール力は使えば使うほど筋肉のように疲労していく」というのが定説でしたが、近年では確認されないケースが多くなってきています。


例えば、意志力を使えば使うほどエネルギーが増えるというデータも2017年に確認されています。(ソース)

意志力が減るように見えるのは、たんに思い込みとモチベーション変動のせいだって考え方です。

どっちが正しいかはまだわからないですが、2017年に出たデータ(ソース)では、また「意志力は減らない」派に有利な内容でした。

これはトロント大学の調査で、1万7621人の学生を対象にしたものです。実験期間は17週間で、全員に学校の勉強や試験対策用のオンラインプログラムを受けてもらい、それぞれの参加者がどれだけアクセスを続けたかをチェックしました。

まず意志力の低下については、

” もちろん誰でも特定のタスクを長時間やり続ければ疲れるものだが、いっぽうで1日を通してタスクをやりとげる能力やモチベーションが減っていくという証拠は見つからなかった。”

” これは、従来のセルフコントロール実験がすべて間違いだったという意味ではない。しかし、少なくとも今回の調査では、意志力が減る現象は確認されなかった。”

ということで、やはり今回の実験でも、意志力が減っていくような現象は確認されませんでした。

ひとつのタスクをやり続けると意志力は下がる

代わりに何がわかったかと言うと、

  • 記憶力をよく使うようなタスクを続けるほど参加者のパフォーマンスは低下した
  • たいていの参加者は30分あたりから能力の低下が始まり、50分で完全にセルフコントロール能力はぐだぐだになった

みたいな感じです。

つまり、パフォーマンスが下がるような事態が起きても、それは意志力が筋肉のように消耗したわけではなく、単に脳への負担が大きいタスクを長く続けたのが原因なのではないかということです。

実際、この実験では、ひとつのタスクを行なって消耗した参加者でも、ほかのタスクに切り替えたら再びモチベーションとパフォーマンスが向上する傾向が見られたそうです。

意志力が減ったと思っても、実はちゃんと別のモチベーションが眠ってるわけです。

マルチタスクではなくタスクシフトが大事

これは「マルチタスクをすると生産性が下がる」(ソース)こととは別の話で、あくまでひとつのタスクに対してはすべての注意力とエネルギーを注ぐのが一番です。

一回の作業のなかで注意力を分散させるのではなく、集中したひとつのタスクを別のタスクに切り替えようということです。

いわばマルチタスクではなくてタスクシフトが重要ということです。

今回の実験から分かったことは、

  • 私たちは1日を通してひとつの作業をやり続けられるだけのモチベーションはない
  • ただし、タスクの内容を別のものに変えるか、作業時間をちゃんと最大50分までのブロックに分割すればセルフコントロール能力とモチベーションは復活する

という感じです。

いっぽうでは「いろんなタスクをやるごとに意志力は減る」というデータもかなりありますが、今回の実験は現実的な設定で24時間ごとの意志力変動をチェックしたのが強みかと思います。

2013年の実験で、「意志力は使うほど減る」と思ってる人は本当にセルフコントロール能力が下がる(ソース)という結果があるので、あまり意志力が低下するかどうかは気にしないほうが良いということですね。

それよりも自分のモチベーションをちゃんとマネージメントできるようなタスク調整(タスクシフト)を行なったほうがうまくやる気をキープできそうです。

人がやる気を出す4つのカテゴリー

人間はどんなことにやる気がでるのか?というのは昔ながらの疑問で、これまでも」「自己決定理論」(やる気を引き出すには、自分が決めた程度(自己決定)が大きいほど、大きくなるという理論)などいろんな理論が生まれてきました。

ただ、この問題については、まだ合意があるわけじゃなくて、そもそもやる気というのが幅広い概念ななので、「人間はこんなことに駆り立てられる」と言い切るのは難しい訳です。

人間の動機を探る研究は続いていて、2019年に「人間の行動を駆り立てる動機には大きく分けて4つのカテゴリーがある!」と主張する論文(ソース)が出ています。

これはワイオミング大学などの研究で、研究者の問題意識は、

心理学の世界において、「私たちは何を求めているのか?」という問いよりも重要なものはほとんどない。しかし、この問題について広く受け入れられた解釈はない。

となっています。「モチベーション」は人生のあらゆる側面に関わってくる重大事にもかかわらず、その実態はほとんどわかっていないということです。それだけ簡単なようで実は難しいテーマということでしょうか。 続きを読む

やる気レベルを上げるヘルパーズハイ

やる気を自然に上げられる一つの方法で、ヘルパーズハイというのがあります。

Helper’s High、Runner’s Highと似てますね。その行動によってドパーミンが分泌されてやる気が出てくるのです。

ヘルパーズハイって何?

人は誰かの役に立っているという感覚、誰かを助けて感謝されたという感覚を感じた時にドパーミンが大量に分泌されるのです。

つまり人助けをしてやる気がでるということです。他人に親切にすることを継続的におこなうとドパーミンの分泌が進んで、普段から気分が改善したり寿命がのびるという効果があるということが分かってます。

ソニア・リュボミアスキーさんは、幸福に関する研究をしていて、日常生活でやる気を感じられないとか物足りないと思っている人におすすめです。

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