人がやる気を出す4つのカテゴリーとは?

人間はどんなことにやる気がでるのか?というのは昔ながらの疑問で、これまでも「自己決定理論」(やる気を引き出すには、自分が決めた程度(自己決定)が大きいほど、大きくなるという理論)などいろんな理論が生まれてきました。

ただ、この問題については、まだ合意があるわけじゃなくて、そもそもやる気というのが幅広い概念ななので、「人間はこんなことに駆り立てられる」と言い切るのは難しい訳です。

人間の動機を探る研究は続いていて、2019年に「人間の行動を駆り立てる動機には大きく分けて4つのカテゴリーがある!」と主張する論文(ソース)が出ています。

これはワイオミング大学などの研究で、研究者の問題意識は、

心理学の世界において、「私たちは何を求めているのか?」という問いよりも重要なものはほとんどない。

しかし、この問題について広く受け入れられた解釈はない。

となっています。「モチベーション」は人生のあらゆる側面に関わってくる重大事にもかかわらず、その実態はほとんどわかっていないということです。

それだけ簡単なようで実は難しいテーマということでしょうか。

調査の内容は、

14万以上の英語の名詞のリストをチェックする

単語リストから「目標」や「ゴール」に関するものを絞り込む

最終的に残った1060語を1000人強の参加者に見せて、これが自分のモチベーションに合致しているかどうかを尋ねる

みたいな感じです。

自分の目標を説明するときに多くの人が使う言葉をチェックして、そこにどんな共通項があるかを調べたということです。

すべてのデータを主成分分析にかけたところ、人間の動機に共通する4つのカテゴリーが浮かび上がりました。

1.卓越(Prominence)

以下の要素を手に入れるために働く動機 → 王座、競争、コントロール、栄光、偉大さ、金銭力、人気、権力、特権、性的魅力

2.包括(Inclusiveness)

以下の要素を手に入れるために働く動機 → 同志、外交、多様性、共感、公平性、包含性、相互のつながり、博愛主義、連帯、超越、社会の変革

3.負の回避(Negativity prevention)

以下の要素を避けるために働く動機 → 異常、狂気、死、戦い、運命、過敏さ、孤立、平凡、憂鬱、哀れみ、失業

4.伝統(Tradition)

以下の要素を手に入れるために働く動機 → 宗教、祝福、保守性、結婚、従順、義務、親愛、純潔、歴史

それぞれのモチベーションについて説明すると、

卓越は、社会的なステータスが欲しい、そのために何かを達成したい
包括は、社会を受け入れ、そして受け入れられたい、すべての価値観を認められたい
負の回避は、嫌なことを避けたい
伝統は、自分が所属する組織の文化と未来を守りたい

と言う感じでしょうか。

ただ、どのカテゴリーも外部の環境にだけ焦点が上がっていて、「内的報酬」の要素が入っていません。

たとえば、「金銭」を求めるって動機にしても、家族がいるから「お金を稼がなければ」と思った場合と、「ただただ金儲けがしたい」という場合ではモチベーションの上がり方が異なるような気がします。

アメリカ文化を背景にした英語しか調べてないので、他の国にどこまではてはまるかわからない感じです。

たとえば、「宗教」みたいな言葉は日本のような宗教が生活に根付いてないと、伝統の指標にならない可能性があります。

と言った点は気になるところです。

が、そうはいっても今回の研究は自己分析には有用だと思うので、

自分が抱いている目標をリストアップ
それぞれの目標を上の4タイプに照らし合わせて「自分はこんなタイプのゴールに偏りやすい」とか分析してみる
自分があまり手を出さないタイプの目標を取り入れることができないか?とか考えてみる

ことに使ってみるといいのではないでしょうか?

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *