腸内の良い細菌を増やすベストな食物繊維は?

昨日に引き続き食物繊維の話です。

イヌリンは最強の食物繊維だ!

アンチエイジング効果として食物繊維は欠かせないもので、2015年のメタ分析(ソース)によると、一日10g食物繊維を増やすと死亡率が11%、心疾患が20%減るという結果がでています。

その理由としては、

  • 食物繊維が腸内細菌の量を増やす(食物繊維をエサにして細菌が増える)
  • 腸内細菌が食物繊維を分解して、腸を守る脂肪酸を作る(酪酸とか)
  • 不溶性食物繊維が腸の働きを刺激する

などがポイントです。

食物繊維の種類によっても作用は異なっていて、たとえば酪酸の生成だったらレジスタントスターチ(穀類やいも類、豆類などに含まれる)が優秀だったり、腸の刺激って意味ではオオバコ(多年草の一つで外皮に食物繊維が含まれる)が良かったりと、目的に応じて選ぶことも必要です。

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イヌリンは最強の食物繊維だ!

先日、ジャンクフードへの食欲を抑えるサプリとしてイヌリンを紹介しましたが、イヌリンの様々な効果について説明したいと思います。

イヌリンは水溶性食物繊維のひとつで、カロリーは1.5kcal/gぐらいです。

腸内で細菌のエサになり、有用な物質を生むことがわかっていて、お腹の調子はもちろんコレステロールとか糖尿病にもいいとか言われてます。

2017年にパキスタンの研究者が、ここ十数年で出たイヌリンに関する精度の高いデータをまとめたレビュー論文(ソース)を出していて、参照してる論文の数は69件で、かなり幅広くイヌリンの効果をチェックしたものとなってます。

イヌリンの効果は以下の4つにまとめられます。

食欲のコントロール効果

イヌリンが食欲のコントロールに効くことは先日の記事にも書きましたが、腸内細菌がイヌリンを発酵させて短鎖脂肪酸を作り出し、それが脳に働きかけて食欲を抑制するという仕組みです。

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ジャンクフードへの食欲が消えるサプリ!

2016年に発表された論文で「ジャンクフードを食べたい気持ちが消えるサプリ」という面白いデータ(ソース)があります。

これはインペリアル・カレッジ・ロンドンの健康な20人の男性を対象にした実験で、みんなにイヌリンプロピオン酸エステル(イヌリンPE)が入ったミルクシェイクを飲んでもらい、食欲が減るかどうかをチェックしました。

イヌリンは食物繊維の一種で、お腹のなかで食物繊維が消化され、腸内細菌が分解してプロピオン酸という短鎖脂肪酸に変え、これが 脳に働いて食欲をおさえてくれると考えられています。

短鎖脂肪酸は腸内バリアの修復効果など、すごい物質です。

そこで研究者たちが考えたのが、イヌリンとプロピオン酸が一緒になったサプリを飲めば、さらに効率よく食欲が減るのでは?という仮説です。

ダイエットに役立つ「スーパー食物繊維」を作ろうとしてるわけです。

実験では、まずイヌリンPEを飲んだ参加者をMRIにかけて脳をスキャンしました。

そのうえでピザやチョコ、サラダなどの写真を見せたところ、脳の報酬系の活動が少なかったそうです。つまり、ジャンクフードを見ても脳が興奮しなくなったわけです。

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