自然と筋トレのメンタルへの効果がすごい!

以前も記事にしましたが、メンタルの改善に役立つのに、自然と筋トレを紹介します。

どれ位自然の中で過ごすと健康効果があるの?

自然はメンタルに良い

またも「自然がメンタルに良い!」というメタ分析が出ていたので(ソース)、ざっと内容を紹介します。

これは「自然のなかにいるとストレスが減るのか?」という問題を調べたもので、8つの横断研究と4つのランダム化比較試験をまとめた内容になってます。

1つの試験あたりの平均参加者数は760人で、

  • そのうち5件では主観的なストレスのレベルをチェックしている
  • 6件ではストレスの生理学的マーカー(fMRIスキャン、唾液コルチゾール、血圧測定、心拍数とリズム、筋肉の緊張など)をチェックしている

みたいになってます(残り1件は両方の指標を使用)。

その結果をまとめると、

  • 全体的に、自然とのふれあいの増加は、生理学的ストレスマーカーと主観的なストレスの改善と相関していた
  • 緑地の多い地域に住んでいる人のコルチゾール(ストレスホルモン)値は、緑地の少ない地域に住んでいる人よりも低かった
  • 緑地の割合が増えるにつれて、ストレスのレベルが低下する傾向があった
  • 高血圧の人を調べたところ、1週間に30分間自然に触れることで血圧が低下する傾向があった
  • 90分間ほど自然の中を散歩すると、都市で散歩した場合と比べて、悲しみやネガティブな感情に関わる脳の活動が大きく低下した
  • わざと心理的なストレスを与えた後で自然の写真を見た被験者は、交感神経の活動がすぐに減少した(つまりリラックスした)

ということで、いままでも「自然はすごい!」とは言われてましたが、あらためて精度が高い研究で効果があきらかになってます。

90分の自然の中での散策でネガティブが減るというのは、とても簡単でいい方法だと思います。

メンタルが健やかな人でも筋トレのメリットを得られる

有酸素運動がメンタルに良いというデータは大量にあるのですが、筋トレがどうなのかはまだまだよくわからないのですが、2020年に「筋トレで不安が減る!」との報告が出ています(ソース)。

これは8週間のランダム化比較試験で、特に不安症には悩んでいない28人の男女(18〜40歳)を2つのグループに分けてます。

  1. 筋トレグループ:週2回ずつ、バーベルスクワット、バーベルベンチプレス、デッドリフト、ダンベルショルダーレイズ、ダンベルランジなどをやる
  2. コントロールグループ:これまでどおりの運動レベルを維持する

この実験のポイントは「特に不安症がない人」を対象にしてるところです。

というのも過去の実験だと全般性不安障害や高齢者を対象にしたテストがほとんどだったからです。

不安チェックテストを行った結果は、

筋トレは不安(Anxiety)を有意に改善したが、心配(Worry)は改善しなかった

だったそうです。

「不安と心配の違いは?」というと、一般的な定義は以下のようになります。

  • 不安は、身体的に感じられる漠然としたネガティブ感情。「なんか緊張するな」みたいに漠然と嫌な感覚に苦痛を感じてるようなイメージです。
  • 心配は、頭の中でネガティブな思考に集中する状態です。「事故が起きそうでこわい」みたいに、予想される危険に対して精神的な苦痛を覚えているイメージです。

というような違いです。

通常は心配のほうが一時的に過ぎるんで、不安のほうが面倒な感情かもしれません。

というわけで、どうやら筋トレは健康な男女のメンタル改善にも役立つと言ってもいいようです。

どうして人間は自然が好きなのか?

森林浴はメンタル改善の効果が大きいとはよく言われますが、「どうして人間は自然が好きなのか?」という問題についてはまだ未知なところが多いです。

自然のなかで気分がリフレッシュする感覚は誰れもが経験していると思いますが、こういう感情がうまれるのはどうしてか?という疑問です。

そこで、2020年に出た研究(ソース)は「自然は人間の根本的な欲求を満たすのではないか?」という結論になっています。

ここでいう「人間の根本欲求」というのは、

  1. 自律性 =自分で自分のことを決めたい!という欲求
  2. 有能さ=自分の能力を高めたり、その能力を認められたい!という欲求
  3. 関係性=他者と良い関係を結びたい!という欲求

の3つで、つまり、ロチェスター大学心理学教授である、エドワード・L. デシの「自己決定理論」が提唱する3つの軸を使ったということです。

これらの欲求を自然が満たしてくれるのでは?というのは、おもしろい仮説ではないかと思います。

この研究は、

  1. 南アパラチアの自然地域を訪れたことのあるアメリカ人795人が対象
  2. 自分がもっとも気に入った自然エリアを思い浮かべてもらい、その場所への愛着レベルを尋ねる(「その場所に強い帰属意識を感じている」「自分との強いつながりを感じる」みたいな文章に賛成できるかどうかをチェックしました)
  3. さらに、そのエリアが「自律性」「有能さ」「関係性」のニーズを満たしているかどうかも尋ねる(「自分の好きなエリアには、好きなやり方で自由に訪れることができる」「自然のなかでいろいろな人と交流できる」みたいな文章に賛成できるかどうかをチェックしました)

という感じで「自然と欲求」の関係を調べました。

結果、以下のような傾向が見られたということです。

  • 好きな自然が「3つの欲求」をよく満たすほど、その自然への愛着レベルも高まる
  • 「3つの欲求」により、その自然への愛着度の約半分を説明できる

自然には自己決定理論の欲求を満たすパワーががあるのではないかということで、

研究チームによれば、

” 人々が自然を重視するのは、その空間が、他者とのつながりを感じたり、能力を感じたり、行動の選択における自律性を求めたりする心理的なニーズを支えているからである”

とのことです。

つまり、

  1. 自律性=自然のなかで遊んだり、食事をしたり、ただ休んだりで、自分の好きなことを好きなようにできる
  2. 有能さ=「ハイキングする」や「自炊する」などの自分で決めたチャレンジをこなすことで有能さを実感できる
  3. 関係性=たいていの人は大事な人と自然に出向き、チャレンジングな行動をともにするため、関係性が深まる

ということで、自然には人間の3大欲求を満たしやすい環境が用意されてると考えられています。

ちなみに、このなかでもっとも自然への愛着と相関してたのは「自律性」だったそうです。

現代人の休息に自律性が必要というのはよく言われているので、自律性が一番関係しているのは納得ですね。

この研究の注意点としては、

  • この調査はある一点の傾向を見たスナップショットでしかないので、自然への愛着と心理的ニーズの因果関係はよくわからない
  • 自然の効果については「自然の中を歩くとネガティブ思考がおさまる」(ソース)「自然音で注意が最適化される」(ソース)というデータもあるので、そのポイントも押さえておきたい

などがあげられます。

以上のことから、「自然への愛には自律性が大事」というのは、相関関係が高そうなので、たとえば森林浴に出かけるときなどは、もっと自律性が高まるアクティビティをやってみるのも良いかと思います。

自然が多い場所で暮らすと、病死が減少する!

自然の中を歩くと幸福になる(ソース)とか自然の写真を見るだけでもストレスが減る(ソース)というデータがあります。

そして、2016年に「自然のなかで暮らすと長生きに!がんの死亡率も下がる!」という論文(ソース)が出ていて、興味深いです。

これはハーバードのブリガム病院による研究で、2000年から2008年のあいだに10万8630人の女性を調べた健康データを使ったものです。

全員の住居を「周囲に自然が多いかどうか」で分類して、病気の発症率とくらべました。

その結果、自然が多いエリアに住んでいる人たちは、都市部に住んでいる人にくらべて、

  • 呼吸器系の病気で死ぬ確率が34%減少!
  • がんで死ぬ確率が13%減少!

といった差が出ました。

がんの死亡率まで下がるとは、自然の中で暮らす重要さが分かりますね。

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どれ位自然の中で過ごすと健康効果があるの?

自然は、健康によくて、ストレス解消法として最強です。みたいな話をこのブログでも書いています。

引きこもりのためのバイオフィリア対策

リラックス効果が高いので、個人的にも犬の散歩は自然の多いところでするようにしているし、家の中やベランダは観葉植物であふれていたりします。

で、まだはっきりしてないのが「どれだけ自然が必要なのか」です。つまり、どれぐらいの時間を自然の中で過ごせばストレス解消メリットが得られるのか?という問題です。

この疑問をうまく調べるのは難しい作業ですが、2019年に質が高めな論文(ソース)が出ていて参考になります。

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