自然が多い場所で暮らすと、病死が減少する!

自然の中を歩くと幸福になる(ソース)とか自然の写真を見るだけでもストレスが減る(ソース)というデータもありますが、あります2016年に「自然のなかで暮らすと長生きに!がんの死亡率も下がる!」という論文(ソース)が出ていて、興味深いです。

これはハーバードのブリガム病院による研究で、2000年から2008年のあいだに10万8630人の女性を調べた健康データを使ったものです。

全員の住居を「周囲に自然が多いかどうか」で分類して、病気の発症率とくらべました。

その結果、自然が多いエリアに住んでいる人たちは、都市部に住んでいる人にくらべて、

  • 呼吸器系の病気で死ぬ確率が34%減少!
  • がんで死ぬ確率が13%減少!

といった差が出ました。がんの死亡率まで下がるとは、自然の中で暮らす重要さが分かりますね。

研究者によれば、

” 自然と触れ合える環境と死亡率の低下には明確な相関がある。ここまではっきりした関連性が出てくるとは思わなかった。”

ということで、予想を超える効果だったみたいです。

こういった現象が起きる理由としては、

  • 都会よりもコミュニティの関係性が良いことが多い
  • 周囲に自然が多いと日常の活動量も多くなる
  • 大気汚染のレベルが低い

といった原因があるわけですが、なによりも影響が大きいのがメンタルヘルスの改善効果です。

” さらに驚いたのは、自然の多い環境で健康が改善する理由は、メンタルヘルスの改善によるところが非常に大きかったことだ。”

今回の研究結果によれば、自然がもたらすメリットの30%はメンタルの改善が原因だったそうです。

メンタルが改善され自然と病気になる確率も減ったということですね。

自然の効果ってすごいです。

どれ位自然の中で過ごすと健康効果があるの?

自然は、健康によくて、ストレス解消法として最強です。みたいな話をこのブログでも書いています。

引きこもりのためのバイオフィリア対策

リラックス効果が高いので、個人的にも犬の散歩は自然の多いところでするようにしているし、家の中やベランダは観葉植物であふれていたりします。

で、まだはっきりしてないのが「どれだけ自然が必要なのか」です。つまり、どれぐらいの時間を自然の中で過ごせばストレス解消メリットが得られるのか?という問題です。

この疑問をうまく調べるのは難しい作業ですが、2019年に質が高めな論文(ソース)が出ていて参考になります。

これはエクスター大学の論文で、研究チームの問題意識は、

” 自然との触れ合いがメンタルに良いのは事実だが、果たして1週間でどれぐらいの時間を過ごせばいいのか? 幸福感と健康レベルが高まる自然との接触時間はどれぐらなのだろう?

ということで、具体的には2万264人の男女を対象にした観察研究になっています。そして全員に対して、

  • どれぐらい健康に過ごせてますか?
  • 全体的にみて、人生にどれぐらい満足してます?

みたいな質問をしたうえで、さらに「過去7日間にどれぐらい自然の中で過ごしましたか?」と尋ねてデータを集めました。

ここで言う「自然」っては以下のようなものを含みます。

  • 公園
  • ビーチ
  • 農場
  • 森林
  • 丘陵
  • 河川敷

一方で、「いつもの通勤路や買い物で通りかかる緑地帯」とか「自宅の庭で土仕事」などは「自然」の条件にふくまれていません。

どうも「わざわざ自然の中に出かける」っていう能動性を重視してるみたいです。

で、ここから年齢や性別、運動の習慣、ペットの有無、人間関係の良好さといった交絡因子を調整したところ、以下のようなことがわかりました。

自然のメリットは週に120分を超えてから出る!

ということで、「いま健康で人生にも満足だ!」と答えた人の多くは、週に最低でも2時間を自然の中で過ごしてたそうです。

1日15〜20分ずつを割けばいいわけで、かなり現実的なラインですね。

研究チームによれば、週に2時間を自然の中で過ごすメリットは、次に内容に匹敵するレベルだそうです。

  • 生活苦から抜け出した時
  • 低賃金の仕事から高賃金の仕事に転職した時
  • 運動不足の人は週150分のエクササイズに成功した時

これは、ちょっとすごい効果量ですね。そこまで明確に結論が出せるタイプの研究ではないのですが、いよいよ自然の中に出向くモチベーションが上がりそうです。

研究チームによれば、

” 自然が健康と幸福を高めるのには様々な理由がある。ストレスが減るのはもちろん、友人や家族と過ごす時間の質が上がったり、いまの人生に新たな視点な生まれたりするのも大きいのだろう。”

ということなので、食事や睡眠を改善しつつ、週に120分を自然の中で過ごすことを目指してみるのはやってみて損はないことだと思います。

自然との触れ合いは大事、自然の加工レベルも重要

人間の体は自然に囲まれた環境のほうが正常に動いてくれるのは間違いなく、

  • 自然の写真を見るだけでもリラックスする (ソース
  • 自然の中を歩くと幸福になる (ソース
  • 自然のなかで暮らすと長生きする (ソース

というデータが多く出ています。バイオフィリア仮説(人間は生まれつき動植物への愛情を持っている)に有利な証拠が多くそろいつつあります。

2016年に出たデータ(ソース)では、「自然の加工レベルも大事である」という結論になっています。

これはカンタベリー大の研究者による実験で、「ブルースペース」の心理効果を調べたものです。

ブルースペースは水が豊富な環境のことで、小さな池や川がメンタルにあたえる影響をチェックしたわけです。

調査対象はニュージーランドのウェリントンで暮らす住民で、全員の住まいの環境とメンタルヘルスを調べたうえで、年齢や収入などの変数を調整しました。

で、研究者によれば、

” 周囲にブルースペースが多い人ほど心理的な苦悩が少ないという傾向がはっきりと出た。

不思議なことに、緑が多い「グリーンスペース」には同じような傾向が出なかった。”

という結果でした。

とにかく周囲に水が多くなるほどメンタルは健康で、不安や悩みにも強くなっていくようです。

グリーンスペースに良い結果が出なかったのは従来のデータと矛盾するようですが、研究者は以下のような解釈をしております。

” ブルースペースは自然のままであるケースが多い。いっぽうでグリーンスペースには、天然の森にくわえて運動場や公園のように人工的に作られた場所も多くふくまれる。”

” おそらく天然の森だけに限定すれば、また結果は変わってくるだろう。”

調査が行われたウェリントンは太平洋に囲まれているので、手つかずのブルースペースが多いので、そのぶんだけグリーンスペースの効果が薄くなってしまったのでしょう。

ということで、加工食品は栄養が少なくなってしまうように、「加工自然」もメリットが減ってしまう可能性が大きいということです。

どちらも加工度が少ないほど良いということになります。

とはいえ、栄養が減ったカット野菜(ソース)でも食べないよりはましなのと同じく、デスクの上に小さな観葉植物を置くだけでもメリットはあるので、少しでも周囲に自然を取り入れておくのが良いですね。

デスクに観葉植物を置くだけで15%も良いアイディアが浮かぶ!

引きこもりのためのバイオフィリア対策

バイオフィリアは「人間や動物は自然を先天的に好む性質をもっているのではないか?」という仮説で、アメリカの社会生物学者エドワード.O.ウィルソンによって80年代に提唱されました。

その性質を生かして自然に触れることで生産性の向上、ストレス解消などの効果が得られます。

在宅勤務していて、疲れた時ふと周りの観葉植物を見るとほっとしたりするのもその効果と言えますね。

感覚的にも納得しやすい話ですが、実際様々な研究でも証明されていて、自然の風景を見るだけでも病気の回復力が高くなるという論文や(ソース)、肥満や精神病にも効果が高い結果が出ている研究もあります(ソース)。

また、この現象は、太陽の重要さ(太陽のブルーライトが体内時計を調節してくれる)にも当てはまり、ブルーライトや電子機器で体内時計のリズムが狂うと、睡眠が足りなくなってどんどん太りやすくなってしまいます(午後スマホを使うと太りやすくなる)。

特にここ十数年は「自然欠如障害」という言葉もあって(ソース)、動植物と触れ合う時間が少ない子どもほど、ADHDや多動症、うつ病にかかりやすいそうです。

というわけで、今まさに新型コロナウィルスのせいで家いることが多い中、対策を講じていかねばなりません。具体的には、

  1. 観葉植物&家庭菜園:先日デスクに観葉植物を置くだけで、15%も良いアイデアが浮かびやすいという記事を書きましたが、ほかにも「疲労・頭痛・肌の乾燥が改善する」「病気にかかる確率が減る」「メンタルが改善する(ソース)」「空気中の化学物質を清浄する(ソース)」など観葉植物に関するデータが多くそろっています。デスクのうえに鉢植えを置くだけでも、かなりバイオフィリアは満たされるようなので、簡単だし試さない手はない感じです。

    デスクに観葉植物を置くだけで15%も良いアイディアが浮かぶ!

  2. 外でエクササイズをする:2011年にペニンシュラ大学が行った大規模な調査によると(ソース)、外で行うエクササイズは室内の運動よりも、メンタルに良い影響をあたえることがわかっています。これは、近所の公園で軽くウォーキングをするだけでも違うらしいです。
といった感じなので、中々外へは気軽に出られないご時世ですが、人のいない自然な場所があれば、散歩などするのも良いようです。
そして働いているデスクの上に観葉植物を置くとさらにバイオフィリア効果があると言えます。