自然は、健康によくて、ストレス解消法として最強です。みたいな話をこのブログでも書いています。
リラックス効果が高いので、個人的にも犬の散歩は自然の多いところでするようにしているし、家の中やベランダは観葉植物であふれていたりします。
で、まだはっきりしてないのが「どれだけ自然が必要なのか」です。つまり、どれぐらいの時間を自然の中で過ごせばストレス解消メリットが得られるのか?という問題です。
この疑問をうまく調べるのは難しい作業ですが、2019年に質が高めな論文(ソース)が出ていて参考になります。
これはエクスター大学の論文で、研究チームの問題意識は、
” 自然との触れ合いがメンタルに良いのは事実だが、果たして1週間でどれぐらいの時間を過ごせばいいのか? 幸福感と健康レベルが高まる自然との接触時間はどれぐらなのだろう?”
ということで、具体的には2万264人の男女を対象にした観察研究になっています。そして全員に対して、
- どれぐらい健康に過ごせてますか?
- 全体的にみて、人生にどれぐらい満足してます?
みたいな質問をしたうえで、さらに「過去7日間にどれぐらい自然の中で過ごしましたか?」と尋ねてデータを集めました。
ここで言う「自然」っては以下のようなものを含みます。
- 公園
- ビーチ
- 農場
- 森林
- 丘陵
- 河川敷
一方で、「いつもの通勤路や買い物で通りかかる緑地帯」とか「自宅の庭で土仕事」などは「自然」の条件にふくまれていません。
どうも「わざわざ自然の中に出かける」っていう能動性を重視してるみたいです。
で、ここから年齢や性別、運動の習慣、ペットの有無、人間関係の良好さといった交絡因子を調整したところ、以下のようなことがわかりました。
自然のメリットは週に120分を超えてから出る!
ということで、「いま健康で人生にも満足だ!」と答えた人の多くは、週に最低でも2時間を自然の中で過ごしてたそうです。
1日15〜20分ずつを割けばいいわけで、かなり現実的なラインですね。
研究チームによれば、週に2時間を自然の中で過ごすメリットは、次に内容に匹敵するレベルだそうです。
- 生活苦から抜け出した時
- 低賃金の仕事から高賃金の仕事に転職した時
- 運動不足の人は週150分のエクササイズに成功した時
これは、ちょっとすごい効果量ですね。そこまで明確に結論が出せるタイプの研究ではないのですが、いよいよ自然の中に出向くモチベーションが上がりそうです。
研究チームによれば、
” 自然が健康と幸福を高めるのには様々な理由がある。ストレスが減るのはもちろん、友人や家族と過ごす時間の質が上がったり、いまの人生に新たな視点な生まれたりするのも大きいのだろう。”
ということなので、食事や睡眠を改善しつつ、週に120分を自然の中で過ごすことを目指してみるのはやってみて損はないことだと思います。