感染症のリスクを防ぐにはやはり手洗いが重要だという論文が2019年に出ています。(ソース)
体の中から免疫力をつけることも一つの方法ですが、手っ取り早く菌を口、鼻、目から入れない為には手を清潔にしておくということですね。
当たり前といえば当たり前すぎる話ですが、完璧にこなすのは容易ではないからでしょう。
これは、「感染症の拡大を防ぐにはどうすればいいのか?」という問題に取り組んだ論文で、まず結論から言えば、
とにかく手を洗うこと、特に空港を利用する際は徹底的に!
という話です。
が、この普通なことを研究チームがわざわざ強調してる理由は他でもなく、
常識的なアドバイスを実践してる人がかなり少ないから
なかでも空港は感染リスクが高いから
というのが理由です。
というのも、これまでの調査(ソース)では空港を使う人の約30%は「トイレの後で手を洗わない」という結果があるのと、手を洗う人でも「半分は正しく洗えていない」という傾向が確認されてるそうです。
というわけで、この研究は世界の3621の空港からデータを集め、その利用状況をチェックし、そこに感染症の広がり方を表した数理モデルを作って、みんながちゃんと手を洗うとどうなるかを推計しています。
その結果は、
手洗いを増やすことで、世界的な感染症の流行を24%から69%まで抑制できる
ということで、かなりいい数値になっていました。これだけ効果があると思えば手洗いのモチベーションもわいてくると思います。
研究チームによれば、
” インフルエンザ型ウイルスの世界的なリスクは、人の間の物理的接触により強化され、さらに個々の移動パターンにより加速される。
現在の航空輸送システムは、人間を長距離かつ高速で移動させるため、感染症の拡大に重要な役割を果たしている。
しかも、一般的な空港は混雑した密閉空間であり、衛生状態もよくない。”
” 今回の結果は、空港で手を洗うことがいかに効果的であるかの証拠を提供している。手の衛生を保つことで、潜在的な健康危機は緩和される。”
ということで、とにかく手を洗おう!って視点が強調されています。
一般的にコロナウイルスは脂質の膜で保護されているので、普通に石けんでも脂肪膜を溶かして無効化できます。
具体的な手の洗い方としては、以前に正しい手の洗い方を書いた記事があるので、参考になるかと思います。
ちなみに、こちらも常識的な話ですが、「顔を触らない」ってのを心がけるだけでもかなり感染の予防になります。事実、2014年の論文(ソース)だと、
人間は平均して2、3分に一度は顔に触れていて、その44%が目、鼻、口に接触している
という結論も出てるので、人間の目、鼻、口は、病原体が体内に入りこむ典型的な経路なので、意識してきたいところです。