怒りをコントロールするには?

頭に血が上ったときぐっと怒りを抑えるのは良くないとされてます。

怒りを表に出さずにすみますが、以下のような弊害がでてきます。

へたに怒りを抑えるのはよくない

数々の実験研究によれば、怒りの抑制はポジティブな感情を減らし、ネガティブな感情を増やすことがわかっています。

同時に交感神経の反応が強まって緊張と不安が増し、扁桃体のような感情のコントロールをつかさどる脳の部位が活性化します。

さらに、

感情を抑制しがちな人は周囲から悪い印象を持たれやすく、友人やパートナーの血圧を上げやすい。

感情を抑制する人ほど親密なコミュニケーションを避け、周囲の人からも親友とはみなされない傾向が強い。

ということです。

怒りを抑制するとネガティブな感情が増えて、ネガティブな感情が周囲の人を遠ざけてしまうということです。

だからといって怒りをそのままぶつける訳にもいかない。

怒りを抑えつけてはだめだとは言っても、周囲にわめき散らしたり物を投げたりするのも逆効果です。

というのも、

ネガティブな体験に意識を集中させると、感情は逆に強くなってしまいます。

その結果、感情のコントロールはさらに難しくなり、周囲への適応度や幸福感が下がっていくことになります。

という感じです。

感情を表に出すことで、逆に感情はふくれ上がっていくということですね。

泣き出した子どもが自分の泣き声に反応して、さらに感情をエスカレートさせていく状態に似てます。

怒りをコントロールするには?

怒りは抑えつけても表現してもだめということで、八方ふさがりですが、解決法があります。

人が持つ認知と感情の機能は、脳の限られたリソースを使っています。

認知機能が必要なタスクに脳のリソースを振り分ければ、感情の働きは停止していきます。

数学クイズのように認知機能を使う作業を行えば、わたしたちは簡単に不快な感情から気をそらせるようになる。

ということです。

人の脳はいちどに複数の作業ができないので、ほかのことに頭をまわせば自然と感情はおさまっていくわけですね。

なんともシンプルな手法ですが、スタンフォード大学教授ウォルター・ ミシェルの「マシュマロ・テスト」によると、「感情から気をそらすのが上手い子どもほど人生に成功する!」って結果が出ており、効果は高いようです。

脳に別の仕事、テトリスなどのゲームをあたえて気を紛らわすのが大事です。

怒りをすぐ対処するためにはReappraisal

とは言っても怒りがこみあげてきて相手がいる前でテトリスなどのゲームをするわけにはいかないので、Reappraisalという方法が有効です。

リアプレイザルは「再評価」という意味で、文字どおり怒りの原因に対する考え方を変えてしまう方法です。たとえば、

怒った人を見たら、「彼女に何か悪いことがあったのだろう」と自分に言い聞かせてみる。

それだけ相手の怒りに巻き込まれずにすむ。

これは認知行動療法などでよく使われるアプローチである。「あの人は飼い犬を亡くしたのだろう」や「悪いニュースがあったのだろう」と想像するだけで、感情の波は一気におさまっていく。

という感じです。

ネガティブな体験を別の視点から見てみるわけです。

これは、「環境を変えるよりも環境を受け入れるほうが大事」(ソース)という話に通じていて、現実の解釈を変えるだけで脳の活動もおさまっていきます。

リアプレイザルは、脳の扁桃体(感情に関する部位)へ直に影響をあたえる。

リアプレイザルが上手くなるほど、ネガティブな体験に対する扁桃体の活動は低下していく。

さらにリアプレイザルが上達すると、人間関係も良くなっていくということです。

感情をコントロールするためにリアプレイザルをよく使う人は、より友人と親密な関係を築く傾向があり、周囲からの好感度も高い。

リアプレイザルでポジティブな感情が増した結果、対人コミュニケーションにも良い影響が出るみたいです。練習する価値がありそうです。

まとめると、

怒りに対処するには、
怒り感情をそらすためにテトリスなどゲームをする。
瞬間的な怒りにはReappraisal手法を使う。

ということです。

Reappraisal手法は練習が必要なので本を読んで勉強してみるのが良いかもしれません。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *