相手にここを直して欲しい時はそれを伝える感情の種類が重要!

恋愛関係においては共感が重要だ」ということはよく聞きます。

パートナーの感情が読み取れないと関係がぎすぎすしてしまいますから。

2020年に出た研究(ソース)では、「他人の感情を読み取る能力は恋愛関係においてどこまで有効か?」という点を調べています。

これはロチェスター大学などのチームによる研究で、交際期間が平均3年ぐらいのカップル111組を対象にしたものです。実験では、

パートナーに変えて欲しいことは何ですか?

というテーマで自由に語り合ってもらいました。

例えば「いつも洗い物を忘れる」とか「すぐに怒る」などです。

その後、すべての参加者には「会話のあいだどんな感情になりましたか?」や「パートナーはどんな感情を抱いたと思いますか?」「指摘を受けたとこを治そうと思いましたか?」などをチェックしました。

さらにカップルの「関係性の質」なども調査して、共感力との関係性を調べました。

さて、その結果は、

  • パートナーの表情から悲しみ、恥ずかしさ、罪悪感などの感情を読み取るとふたりの関係性は強くなり、改善点を受け入れる可能性も高くなる
  • パートナーの表情から怒り、軽蔑などの感情を読み取ると、ふたりの関係性は弱くなり、改善点を受け入れる可能性も低くなる

ということで、何でもかんでも共感すればいいってものではないようです。

こういった違いが出る理由は、大きな原因としては、

悲しみ、恥ずかしさ、罪悪感は、相手の気持ちを気づかうシグナルとして処理されるから

という点が推定されています。

研究チームによれば、

” 相手の問題点を指摘するときに、恥ずかしがったり、罪悪感を表に出すは悪いことではない。

これらの感情は、あなたがパートナーを気にかけていることを示すものであり、そこに共感を抱くのは相手にとっても価値がある。

あなたが二人の関係を改善しようとしている事実、会話にコミットしている事実、できるだけ相手を傷つけないようとしている事実が、向こうに伝わるから。

もちろん、この時にパートナーが恥や悲しもの感情に深く共感するほど、二人の関係はより建設的なものになる。”

とのことです。

悲しみ、羞恥、罪悪感などの感情は、相手に「この問題提起があなたを傷つけるかもしれないことに、私はちゃんと気づいています」というサインを与え、これは向こうの心をときほぐすということなんですね。

” 一方で、怒りや軽蔑のような感情は、相手にとっては支配的なシグナルとして処理される。これでは二人の関係は揺らぐばかりだろう。

どんなに最高の関係でも、パートナーとは必ず衝突が起きる。そんなときはパートナーに変化を求めるのがひとつの手だが、怒りなどの脅迫的な感情で要求を行うと、否定的な感情が起こる、関係に緊張がもたらされる。”

ということです。

今回のデータから得られる教訓は、

  • 他人の行動を変えたいとき:怒りはなるべく抑え、悲しみや恥ずかしさなどを全面に出して、相手の共感を誘う
  • 他人から行動を変えるように指摘されたとき:怒りを読み取ると事態が悪化するので、できるだけ相手の悲しみと恥ずかしさに集中する。             相手から怒りしか感じられない時は、とりあえず「時間がほしい」と言ってその場を離れるか、「言いたいことは分かる。だけどそのような言い方を受け入れるのは難しい」と正直に話す

といった感じでしょうか。

怒りの感情に対処したり、抑えたりするのは大変そうですが、パートナーに何か変えてもらいたいときや反対に変えてほしいことを伝えられた時、このことを心に留めておければと思います。

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