新型コロナウィルスが重症化しやすいランキング

新型コロナウィルスは、持病を患っている人にはかなり脅威かと思いますが、ではどんな疾患を持っている人だと重症化しやすいのかというメタ分析が最近出ました。(ソース

これは濰坊医科大学の研究で、「新型コロナウィルスで重症になりやすいのはどんな人?」ってポイントを調べています。

新型コロナで症状が悪化しやすい人とそうでない人の違いが判るということですね。

具体的には新型コロナウィルスの重症度に関する研究から6つの研究を抜き出していて、全体的なデータの質は高めです。その内訳は、

  • 6件は高血圧、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)について調べてる
  • 5件は肝臓疾患について調べてる
  • 4件は悪性腫瘍、腎疾患、心血管疾患について調べてる
  • 3件は、脳の疾患について調べてる

のようになっています。

高血圧やら糖尿病の問題をかかえた人は、やはり新型コロナウィルスのダメージも大きいのではと研究チームは考えたということです。

大きな結果を並べていくと、

  • COPDの人は重症化のオッズ比が 5.97
  • 脳血管疾患の人(脳出血とか脳梗塞とか)は重症化のオッズ比が 3.89
  • 心血管疾患の人(不整脈とか心不全とか)は重症化のオッズ比が 2.93
  • 糖尿病の人は重症化のオッズ比が 2.47
  • 高血圧の人は重症化のオッズ比が 2.29
  • 肝臓病、腫瘍、腎臓病は重症かと相関がなかった

という感じでした。

もちろん体に問題を抱えた人は全体的に重症化しやすい傾向がありますが、やはりCOPDの危険さが突出してます。

COPDはのは肺の空気の通り道が狭くなって,うまく呼吸できなくなってしまう病気です。

長年にわたる喫煙などにより,肺や気管支の空気の通り道が狭くなった状態です。

風邪をひいてないのに咳やたんが出たり、すぐに息が切れてしまうような人は注意です。

もともとCOPDはインフルエンザでも症状が悪化しがちなことがわかってますし、新型コロナのメイン症状は呼吸不全なのでこの結果も当然な感じです。研究チームも、

” COPDを持つ新型コロナウィルスの患者は、COPDなしの患者に比べて5.9倍も重症化のリスクが高かった。”

と強調しています。

また、直近ではイギリスから別のメタ分析(ソース)が出ていて、こちらでは7件のデータをまとめて、

” COPDは新型コロナウィルス重症化の最も強力な危険因子であり、次いで心血管疾患と高血圧が続く。”

と結論づけています。

なんでも、COPDの人は肺細胞にACE2という受容体が増えていて、そのせいでウイルスが細胞内に取り込まれやすくなるそうです。

ACE2は本来COPDから私たちを守るために増えてるのですが、それが新型コロナに付け入るスキをあたえてしまってる結果になっています。

このACE2と新型コロナの関係について調べたレビュー(ソース)だと、ACE2の発現はたばこでも激増することがわかっていますので、喫煙者はかなり危険ですね。

ただし、このレビューには希望もあって、

一旦たばこをやめると、ACE2の量は「タバコを吸ったことがない人」と同じレベルにもどる

という傾向も確認されています。

つまり「タバコはいつやめても遅すぎることはない」ということで、この機会に禁煙してみるのは良いことではないでしょうか?

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