ウォータールー大学から出た論文「どうすれば賢者のような行動が取れるか?」(ソース) によると、
賢者レベルをチェックするのに、3ポイントを採点の基準に使っています。
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- 知的謙遜:自分の知識の限界を理解し、世の中の不確実性を知り、自己の偏見やバイアスに敏感な状態
- 自己超越:自分中心ではなく、引いたところから物事を考えられること
- 視点の統合:他者の視点からさまざま視点をまとめて考えられること
「知的謙遜」は自分の知識の限界レベルをちゃんと把握した状態のことで、要は「無知の知」ということです。
Googleの人事担当は、「知的謙遜があるかないか」を採用の基準にしてるそうです(ソース)。「ワーク・ルールズ!」のラズロ・ボックによれば、
”(Googleの採用で重要視するのは)謙遜心と責任感だ。(中略)
謙遜とは他人の良いアイデアを受け入れられる状態を指すだけでなく、「知的謙遜」でなければならない。知的謙遜がなければ、人間は学ぶことができなくなってしまうからだ。”
とのことです。
知的謙遜がない人は失敗から学ぼうとしないので、組織内で働くのには向いてないということです。
この現象はいくつかの実験(ソース)でも確認されていて、
知的謙遜のレベルが高い人ほど、
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- 意見が違う人からも学ぶことができる
- 長期的にみると知的発達のスピードが速い
という傾向があります。 いかにも賢者って感じですね。
というと当たり前のようですが、人間には「自分は平均よりも上だ」と思い込むバイアスがあるので、意外と知的謙遜を維持し続けるのは難しいです。
今のところ、その特効薬はないのですが、ブラウン大の研究(ソース)だと「定期的に自分の知識を他人に説明してみるといいのでは?」とのことです。
実際、このアドバイスを「社会問題」で試してみたところ、実験の参加者は尊大さが減り、極端な政治姿勢を取らなくなったそうです。
確かに、自分こそ正義だと思いこんでしまうと、極端な方向に走りがちですから。
このほか、知的謙遜にはバイアスの問題が大きいので、
といった点も使えそうです。