「楽観的な人は長生きする!」っていう面白いデータ(ソース)が2017年に出ています。
これはハーバード大学の調査で、看護師健康調査から約7万人の女性(平均年齢70才)を対象にしています。
2004年に全員の「楽観レベル」をテストしたうえで、2006年から2012年に参加者がどうなったかを調べたコーホート研究になっています。
ここでいう楽観主義っていうのは、「先行きが不透明な時期でも未来は良くなると感じられる」みたいな性質のことです。
悪く言えば単なるバイアスなんですが、この傾向が高い人ほど病気にかかりにくいようです。
楽観主義だと生存率が29%もアップ
具体的な数値をあげると、
楽観主義が高い人は…
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- 楽観レベルが低い人に比べて生存率が29%高かった
- 癌の発症リスクは16%低かった
- 心疾患の発症リスクは38%低かった
- 脳卒中の発症リスクは39%低かった
- 感染症の発症リスクは52%低かった
みたいになっていて、かなり違います。
ちなみに、この数値は、年齢、教育レベル、パートナーの有無という変数を調整しています。
性格が楽観的なだけでなぜか長生きする
こういう論文に対して、これまでは「楽観的な人は健康的なライフスタイルを送りやすいからではないか?」という説明がつくのが定番でした。
楽観的な人ほどタバコを吸わないし、運動もするんのじゃないのかということです。
というわけで、今回の研究では、そのへんの変数も調整しています。
具体的には、
- レステロールや血糖値のレベル
- タバコを吸うかどうか
- 定期的に運動をしているかどうか
- 野菜をたくさん食べてるかどうか
などの要素も省いていったのですが、
それでも楽観的な人は死亡率が9%低い!
という結果でした。
つまり、健康的なライフスタイルとは関係なく、性格が楽観的なだけでなぜか長生きするということになります。不思議ですね。
なぜ楽観的な人は長生きなのか?
研究者によれば、
” 楽観的な人たちは、不慮の事故に備えて計画を立てるのが上手いのかもしれない。(中略)
または、楽観主義が直に生物学的な機能に影響をあたえ、免疫系を改善して炎症レベルを下げているのかもしれない。”
とのことです。明言はできないけれど、体内と行動の両面から効いてる可能性があるということです。
生まれ持った悲観的な人が楽観的になれるかどうかは科学的には分からないのですが、できる限り楽観的に生きるのはいいことかもしれません。