寝る前にしてはいけないこと、例えば、スマホなどのブルーライトの光が睡眠の質を下げることは分かってるし、他にも睡眠の質を上げるためにヘビーな食事などは避けたりすると思います。
それとは別に、寝る前に行うことで脳をオフにしてしっかり休ませることにより翌日の脳のパフォーマンスを上げていくにはどうしたらいいのでしょうか。
これは、夜寝る前に行うと、不安感などが減り集中力が上がるので目の前のことに取り組みやすくなる習慣です。
シャットダウン・リチュアル(その日の終わりの儀式)
コンピュータ・サイエンスの専門家でもあるカル・ニューポートさんの「大事なことに集中する」という本がありますが、これは現在の気が散るものであふれている世界の中でどのようにして生産性を上げていくのかということを解説してくれてます。
彼が推奨している方法でシャットダウン・リチュアルというものがあります。(リチュアルは儀式ということです)
これは1日の終わりや仕事の終わりに時間を取り、その日一日を締めくくる儀式のようなものを行った方がいいということです。
この儀式には、今日やるべきことを全部終わらせたということを脳に教え込むことが含まれます。
もしこれをしなければ、人間の脳は緩やかに動き続けてしまい、いつまでもオフにならないということが起きます。
つまり、疲れを引きずってしまい翌日に自分の本来の力を発揮することができなくなるということです。
では、自分の脳を一旦オフにするための儀式とはどのようにすればいいのでしょうか。
それは明日やるべきことを書き出すことによって人間の脳は落ち着きリラックスすることができるといわれています。
よく日記を書いたり今日したことを振り返るということをする人もいると思いますが、それをするよりも、明日どんなことをするのかということを書き留めるということをすると、人間の脳は明日のことに切り替わり今日はリラックスしようとなるので落ち着くそうです。
リハーサル・ループ
神経科学者のダニエル・J・レヴィティンさんによると、人間は何かを気にかけているとそれを忘れることを脳が恐れてしまいます。脳の灰白質という場所が常に動いている状態になってしまうのです。
この恐れている状態になるとリハーサル・ループという一連の活動をしてしまいます。
このリハーサル・ループが起きた状態は、自分の気になっていることがずっと頭の中でリハーサルされてしまい、何かがずっと気になってモヤモヤしているような状態です。
これが起きると心配事がおさまらなくなって寝付けなかったり、ずっと心が休まらない状態になってしまいます。
こうなってしまうと、脳は寝ている間に休まることもなくなります。
寝ている間に人間の脳は記憶の整理などしているので、その日に勉強したことや経験したことが脳に定着しないということが起きて、翌日のパフォーマンスに影響することになります。
1日の終わりにこのシャットダウン・リチュアルをちゃんと行わないと、私たちの脳は延々と何かを気にし過ぎてしまうことになります。
仕事や勉強が終わった時、寝る前など自分で時間を決めて、この時間になったらリラックスしようという時間を決めて、明日の計画を立てるシャットダウンリチュアルを行うのです。
そうすることで、このリハーサル・ループや心配事のループをしてしまう脳の活動をオフにすることができます。そうして、脳を翌日にちゃんと備えることができるようになるわけです。
明日の予定を立てる際のポイント
この明日の予定を立てる時のポイントがいくつかあります。
ToDoリストはやめた方がいい。
というのもやることが多すぎてその日に終わらない量を書きだしてしまいます。
するとその当日終わらなかったりして自分を否定するような感情を持ってしまうことになるからです。
カレンダーアプリやスケジュール管理を使う。
とあるタスクが30分ぐらい済むと仮定するなら、2倍の1時間を予定としてあげ、現実的な予定リストを作ります。
スケジュールを決めていてもなかなか思い通りに進まず面倒になってやめてしまう可能性もあります。その場合は次の方法を試してみてはどうでしょうか。
1. 障害と対策を書く
私たちは、目標を立てたり目標を叶えたらどうなるかとかうまく行くことを考えますが、その目標が達成できない、スケジュールが狂い始めたり、問題が起こった時にどうするのかという障害と対策を考えたりしないことが多いです。
それを考えないので、目標に対する達成率が低くなってしまうのです。
ではどうすればいいのでしょうか?
まずシャットダウン・リチュアルを行い明日のやるべきことをスケジュールとして書き出します。
そして、そのやるべきことができなかったらどうするのかという障害と対策を考えます
例えば、明日の予定を作ったらそれを見ながら考えるわけです。
この予定通りに進まなかったとしたらこの予定の何が明日狂うのだろうかということを考えます。
例えば、明日起きるのが遅くなってしまったりとか、午前中急に上司に仕事を振られて1日の予定がうまくいかなくなってしまうとか、想定できる失敗したりうまくいかない可能性を予定を立てた後に書き出してみます。
さらに、その障害を書き出したらそれぞれに対して対策も考え書き出していきます。
例えば、明日は頑張って6時に起きて予定を進めようと考えていたけれど、もしかすると疲れが溜まっているので6時に起きられなかったらどうなるか考えて、最初からそこに余裕を持った時間設定にしてみるのです。
その上でもし予定通り6時に起きることができたら、そこに余剰時間が生まれますので余裕をもってその後の予定を進めることができます。
もし障害として考えていた通りに起きるのが遅くなったとして余裕をもって考えていたので、その後の予定が狂う可能性が低くなるし、自己嫌悪に陥ることもなくて済みます。
このように障害と対策も合わせて考えることによって、計画はより具体的になります。
この具体的にするところまで行うのがシャットダウン・リチュアルということです。
そこまで行うと、明日起きれなかったらどうしようかとか、明日やらなくてはいけないことがたくさんあるからどうしようかというような無駄な心配もなくなり、ちゃんと脳と体を休めることができるようになります。
障害に対する対策は思い浮かばなくても基本的には大丈夫です。
なぜかと言うと、朝寝坊してしまうかもしれないとかを一度頭に留めておけば、夜更かしをしてしまうと明日の予定が狂うかもしれないから今日はやめておこうと考えて、自分を抑える能力が高まるからです。
予測できるものに対しては人間はコントロールしやすくなります。
2. 飽きを防ぐために「試したいこと」で好奇心を刺激する
1日の仕事の時間の全ての時間をそのやるべきことで埋めてしまうと、義務感しかなくなってしまいます。
なので、何か新しいことを試したりして、好奇心を刺激して毎日同じようなことをすることに飽きが来ないようにするのも大切です。
おすすめは、1日の予定の3割程度は試したいことにしてみるのです。やるべき予定は7割ぐらいにして、残りの3割はやってみたいことを入れてみてはどうでしょうか。
例えば、今日の朝運動して昼間に眠くなったら、運動を明日は夜に試してみようかとかでもいいし、逆に、朝運動しなくて体の調子が上がらないのであれば、朝の運動を試してみようというように、その日の反省も含めて明日試してみたいことを3割ぐらい予定に含めてみるのです。
そうすると、何かを試してみることで変化をつけると考えると、それは自分の成長にもつながりますし飽きること少なくなります。
予定が思うように進まないという理由には飽きるということも考えられるので、挫折と対策だけでなく飽きないように試したいことも明日の予定に含めてみるのは良いと思います。
このようにすると、翌日の予定が予定通りに進む可能性が高くなります。
予定通りに進まない挫折も防ぐこともできるし、寝る前に脳を休められるので、仕事終わりや寝る前の20分で「明日の予定を細かく立てること」、「障害と対策を考える」ことでその予定を現実的にする、シャットダウンリチュアルは試してみる価値があります。
また、飽きを防ぐためにも「今日の改善点も含めた試したいことを予定に入れる」ということも良いと思います。