ビーツはボルシチやサラダ、ジュースに使われる真っ赤な野菜で、この色の素であるベタシアニンやらミネラルが豊富で、非常に優秀な野菜です。
注目するのはビーツによる運動のパフォーマンスアップ効果です。分かってるのは、
ビーツジュースで筋力とパワーが上がる(ソース)
IOCが推奨するパーフォマンスをあげるサプリに一酸化窒素を生むビーツルートパウダー(ソース)
などです。
ビーツには硝酸塩って成分が多くふくまれていて、これが一酸化窒素を生み出して血管を広げてくれる(ソース)と考えられています。
ランニングの世界などでもビーツが流行ってて、特にパウダー系とジュース系の伸びがすごいらしいです。
2020年に出た新しいデータ(ソース)は、「ビーツジュースはどこまで運動に効くのか?リスクはないの?」というポイントを徹底的に調べた内容になっています。
ビーツと運動パフォーマンスに関する昔の研究から86件の論文をまとめて、そのメリットとデメリットについて詳しく分析したものです。
そこで、確認されたのは、
- ビーツジュースを飲むと血圧が下がるので、高血圧の治療に役立つ可能性は高い。特に若くて健康な人に関するデータは多い。
- ただし高齢者の場合はデータ不足なので、ビーツジュースが血圧の改善につながるかはわからない。
- 普通に活動的な男性がビーツジュースを飲むと、運動のパフォーマンスはほぼ確実にアップする、そのメリットはランニングなどの有酸素トレーニングがメイン。
- ビーツジュースで得られるメリットは、体の疲れにくさ、スプリントのスピード、負荷が高い運動のパフォーマンスアップなどである。しかし、持久力などについては効果が認められていないデータもある
- アスリートレベルで体を酷使してる人の場合は、ビーツジュースを飲んでもパフォーマンスが改善しないかもしれない
- 普通に活動的な女性の場合も、サイクリングなどの有酸素運動のパフォーマンスが上がる可能性は高い。ただしアスリートレベルの人には意味がないと思われる。また、基本的に女性を対象にしたデータは少ない。
ということになっています。
ざっくり言うと、「普通に運動をしている人ならビーツジュースを飲む価値はあるのではないか?」ぐらいのことは言えそうです。
一部に「効果がない」って報告も出てるものの、データが少ない他のサプリを試すぐらいならビーツを使ってみるは悪くなさそうです。
ただ、この論文では「ビーツの過剰摂取によるデメリット」も指摘されていて、具体的には、
ビーツにふくまれる大量の硝酸塩は、発癌物質であるニトロソ化合物を作り出す可能性もある
ビーツで運動のパフォーマンスが上がるのは硝酸塩のおかげなんだけど、その硝酸塩のおかげで発癌物質が生まれる可能性があるということですね。
現時点ではあくまで可能性の話なので、硝酸塩がどこまで問題を引き起こすかは長期研究がないので何とも言えません。データを見る限り、
1回あたり250mgの硝酸塩を飲むぐらいならなんの問題もないのでは?
という感じです。
多く摂りすぎない限り運動のパフォーマンスをあげてくれるビーツ、高血圧の人にもおすすめです。