卵はすっかり健康食に
ここ数十年で、大きく立場が変わってきた食材といえば卵です。
1980年代は卵は血中のコレステロールを上げて心疾患の原因になる
1990年代半ばは、いや、実は食品のコレステロールって問題ないらしい(ソース)
2015年ぐらいは、というか、卵は1日1個は食べたほうがいい(ソース)
2016年には、マウス実験だと1日3個は食べたほうがいい(ソース)
といった変遷をたどっていて、1日の摂取量についてはまだ議論があるものの、とにかく卵は健康食だと考えて間違いないようです。
1日3個の卵でメリットが
2017年に出た論文(ソース)では、「健康な男女でも1日3個の卵でメリットがある」という結果になってて、さらに1日のリミットが上がっています。
これはコネチカット大学の実験で、健康な40人の男女、年齢は18才から30才を対象にしたものです。
若くて健康な人と卵の関係を調べた実験は少ないので、貴重なデータと言えます。
実験は14週間で、実験の内容は、
2週間だけ卵をまったく食べない
次の4週間は卵を1日1個の生活をする
さらに次の4週間は卵を1日2個に増やす
最後の4週間は卵を1日3個に増やす
という、卵を増やす以外は普段の食事を続けてもらい、特に運動も指示しなかったようです。いつもの暮らしに卵を足したらどうなるかを調べたわけですね。
卵を増やすほど脂質の状態がよくなった
実験の結果、どんな変化が出たかというと、
- コレステロールの粒子サイズが改善:コレステロールは量より質という研究結果もあるように(ソース)、HDLやLDLなどのコレステロールは機能性が重要です。卵を1日3個ずつ食べた参加者はコレステロールの粒子サイズが上がり、全体的な機能が改善したそうです。具体的には、大きいLDLが21-37%、大きいHDLが6−13%ずつ増えました。
- コレステロールの流出能が改善:こちらもコレステロールの質に関わることです。コレステロール流出能は、血管の壁にこびりついたプラークをHDLが取る能力のことです。簡単に言えば、動脈硬化のリスクが減ったわけです。
- 血中の抗酸化物質が増量:卵を増やせば増やすほど、血中のルテイン(抗酸化力が高いカロテノイドの一種)やゼアスタキサンチン(カロテノイドの一種)が増えました(20〜31%)。
という感じになっています。いっぽうで他の要素に悪影響は出ておらず、基本的にはメリットしかない結果です。
ということで、健康的な皆さん、卵一日3個食べてみてはどうでしょうか?