全粒穀物をとると糖尿病のリスクが減るのか?

全粒粉が体に良いという結果が得られなかったという記事を書きましたが、糖尿病のリスクに関してはどうなのでしょうか?

全粒粉は本当に体に良いのか?

全粒穀物とインスリン抵抗性の関係で、とにかく様々観察研究で「全粒穀物をとると糖尿病のリスクが減る!」という傾向が出ています。

インスリン抵抗性の悪化はアンチエイジングの大敵ですから、非常に気になりますね。

全粒穀物の論文は観察データが多いので、本当に全粒穀物が体にいいのかまではわかりにくく、たんに健康に気を使ってる人ほど全粒穀物を食べているって可能性も大いにあります。

2017年に、実験室で全粒穀物の効果をチェックしてくれた論文(ソース)が出ていて参考になりそうです。

これはクリーブランドクリニックの研究で、二重盲検ランダム化比較クロスオーバー試験になっています。参加者は14人の中年男性で、BMI30以上の肥満体な人を集めました。

実験は、

  1. 全体を半分に分けて、ひとつのグループには1000kcalごとに50gのオートミールなどの全粒粉食を、別のグループには白いパンなどの精製穀物を8週間ほど食べてもらう
  2. 8〜10週間のウォッシュアウト期間を作り、いったん全員にいつもの食事をしてもらう
  3. 今度は、最初に精製穀物を食べたグループは全粒穀物を、全粒穀物を食べたグループは精製穀物を食べてもらう

といった風に全粒穀物と精製穀物のグループにわけて、どれぐらい玄米や全粒粉パンが体にいいかを調べたわけです。

もちろん、総摂取カロリーやタンパク質の量はどちらも同じに設定されております。

その後、参加者にどんな変化が出たかと言うと、

  • 全粒粉を食べても体重の変化には代わりがない
  • ただし、全粒穀物を食べると代謝柔軟性が向上していた!

という感じでした。

代謝柔軟性は人体のエネルギー源を「脂肪」と「糖質」の間で自由に切り替える能力のことです。ダイエットにおいてはかなり重要なポイントで、これが改善すれば糖尿病にもなりにくくなります。

つまり、全粒穀物は体重には関係がないものの、やはり糖尿病のリスクを下げてくれる可能性はかなり高そうです。

全粒穀物は食物繊維が多いのはもちろん、マグネシウムがインスリン抵抗性の改善に役立ってくれるみたいです。

インスリン抵抗性が気になる方は精製穀物から全粒穀物へ変更しても良いのではないかと思われます。

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