「レム睡眠が少ない中高年は死亡率が高い!」というデータ(ソース)が出ています。
レム睡眠が減ると死亡率が上昇する?
ご存じのとおり、レム睡眠は眠ってるあいだに急速な眼球運動が起きる状態で、この時は多くの人が「夢」を身がちです。だいたい90分周期で発生すると言われています。
今回のデータはスタンフォード大学の研究で、高齢男性2675人を10年以上も追跡調査した観察研究になっています。 その結論をまとめると、
- レム睡眠が5%減るごとに、死亡率が13%から17%上昇する
- この傾向は、20年以上追跡調査を行った中高年の男女1375人の別のグループでも確認された
- 数ある睡眠のステージのなかでも、レム睡眠がもっとも健康レベルと関係している
- がんの死亡率についてはレム睡眠と有意な相関はなかった
となっています。
研究チームによると、
” 数多くの研究では、睡眠不足が健康に重大な影響を及ぼすことが指摘されている。
しかし、多くの人が睡眠問題の兆候を無視していたり、十分な睡眠時間を確保していない。
しかし、この研究では、レム睡眠のレベルが低いほど死亡率が高いことが明らかになった。”
ということで、どうやらレム睡眠と健康には相関があるかもしれないということです。
” レム睡眠は死亡率の信頼性の高い予測因子であり、他にも健康レベルを予測できる可能性がある。
レム睡眠を維持することばできれば、レム睡眠が成人の死亡リスクを15%未満も減少させるかもしれない。”
レム睡眠の重要性は前から言われてましたが、思ったより重要な指標のようです。
メラトニンがレム睡眠に影響
フロリダ大学の教授も(ソース)レム睡眠の重要性を指摘していて、
” レム睡眠の障害とαシヌクレインの蓄積による神経変性には高い相関があることがよく知られてきた。(中略)”
” 同時に、レム睡眠とメラトニンの両方が加齢とともに減少するため、メラトニンがレム睡眠の調節と安定性に関わっていることも示されている。
しかし、だからといって、レム睡眠と死亡率との因果関係を簡単に決めつけるわけにはいかず、おそらくレム睡眠を減少させる特定の状態が死亡率に寄与する重要な役割を果たしている可能性が高いと考えられる。”
というわけで、ここでは歳をとって睡眠ホルモンが減ったせいでレム睡眠も減るってポイントが指摘されています。
こうして見ると、レム睡眠が減ると早死にするわけではなく、
- 高齢になって体が衰えるほど睡眠ホルモンが減る
- 睡眠ホルモンのせいでレム睡眠も減る
- 結果、レム睡眠が減った人ほど早死にが多く見えてくる
というのが正しいのかもしれません。もちろん睡眠の不全による体調の悪化もあるんでしょう。
まとめ
研究チームによれば、
” この結果は、レム睡眠の低下を引き起こす睡眠時無呼吸症候群などを管理することの重要性を示している。
睡眠障害や大きないびきを持つ人は誰でも、医師と相談することで恩恵を受けることができる。”
という感じで、とりあえずレム睡眠を改善すると良いのではということですね。