寝てるあいだに勉強できたらいいな」とは誰もが一度は思うことですが、「睡眠学習は可能かも?」と思わせる論文(ソース)があります。
これは2017年パリのPSLリサーチ大学の実験で、20人の男女に脳波計をつけてもらって、ラボで寝てもらいました。その際に、2パターンで実験用の音声を流しました。
- レム睡眠時に音を流す
- 睡眠が深いときに音を流す
レム睡眠は眠りが浅い状態で、脳は活動した状態なのでいろんな夢を見たりします。
大人だとだいたい全体の睡眠の2割ぐらいがレム睡眠と言われてます。
その役割はまだよく分かってませんが、一説には、記憶力を定着させる働きをしてると考えられています。
その日にあったことや勉強したことを、レム睡眠時に処理してるという説です。
実際、レム睡眠時に起こされた人は、前日に覚えたことを忘れてしまうというデータ(ソース)もあって、ありそうな話です。
で、今回のPSL大学の実験でも、やはり結果は「レム睡眠は記憶の定着」説を支持しています。
レム睡眠時に音を聞いた参加者は、翌日のテストで特定の音声パターンを認識する確率が高かったそうです。
レム睡眠に入った人間の脳は、外から入ってきた情報も処理してるみたいです。
研究者によれば、睡眠が深い(いわゆるN3)ときは、不要な情報を捨て去るフェイズに入ってるとのことです。
ですから、睡眠学習を狙うならレム睡眠かN2ぐらいの軽い睡眠を狙ったほうがいいようです。
研究者によれば、
” 今回の研究により、睡眠学習が可能であることがわかった。
しかし、実際に現実の学習に活かせるかどうかはまだわからない。”
ということです。
確かに、レム睡眠時には「日中の記憶をまとめる」っていう大事な仕事があるわけで、その作業を外部からの音声でさえぎっていいのか?って疑問はあります。
睡眠中に新しい情報を入れたせいで、日中に学んだことが追い出されるって可能性はありそうです。
2014年にドイツで行われた実験だと、「日中の勉強の復習に使うなら良いのじゃない?」という結論(ソース)が出てたりします。
あくまで昼間に覚えた内容を寝てる間に聞き直すんなら、記憶定着の邪魔にならなくていいのかもしれません。
つまり、
昼間に読んだ重要な本を、睡眠中にオーディオブックで聞き直す
昼間に覚えた英単語を、睡眠中に流しっぱなしにしておく
みたいな使い方であれば良いってことですね。