見た目がいい人は金持ちや性格がいい人は金持ちなど、いろんなデータがありますが(ソース)、2018年に「年収を左右するトップ8を調査した」という面白いデータ(ソース)が出ています。
これはテンプル大学の研究で、2564人の男女に2つの選択肢を与えました。
- 500ドルをいますぐもらう
- 1000ドルを1年後にもらう
ということで、行動経済学の世界ではよく見る「目の前の欲望を遅らせる能力があるかどうか?」をチェックしたわけです。
いわゆる「遅延割引」と呼ばれます。
この研究は機械学習を使ってるとこがポイントです。
たとえば、これまでの研究でも「遅延割引」や「性別」などが収入と関係があるのはわかっていましたが、「どちらのほう稼ぎへの影響力が強いのか?」ということは分かりませんでした。
ところが、機械学習を使うと従来より多くの変数を扱えたり、非線形の要素も取り込めたりできるので、より正しい影響度が見られると考えられます。
年収を左右する要素のトップ8とは?
その結果、「収入を左右するポイント」のランキングは以下通りです。
- 職業
- 教育
- 住んでいる場所
- 性別
- 遅延割引
- 人種
- 身長
- 年齢
ということで、1位が「職業」なのは当然で、良い仕事につくと年収も高いということですね。
同じく教育レベルが高ければ良い職業につくケースも多いですし、良い仕事は特定のエリアに集中しているので、「住む場所」が大事なのも納得だと思います。
残りの要素としては、性別、人種、年齢あたりは差別問題がからんでそうな感じです。イメージとしては、白人、男性、20代で高身長が、年収が高そうな感じです。
また、高身長な人ほど収入が高い理由については、以下のように推測されています。
” 身長が高いと自尊心が高まり、主観的にも客観的にも仕事のパフォーマンスが上がるのかもしれない。そのせいでキャリアも成功し、給与に反映されるのだろう。”
「遅延割引」は人生のネガティブを避けるのがメインの能力
気になる「遅延割引」は5位にランクインしてます。
2018年に「マシュマロテスト(セルフコントロールテスト)が間違ってたのでは?」というデータもありますが(ソース)、教育や住む場所より下位に入ってるのを見ると、目先の欲望を我慢する能力は、やはり大事なのだと思います。
研究者によれば、
” 目の前の喜びを遅らせる能力の低さは、人生の好ましくない選択と相関していた。”
とのことです。
遅延割引率が大きい人ほどアルコールやドラッグにはまったり、ギャンブルに依存しやすく、知性も低い傾向があったそうです。
” 遅延割引の大きさは、良い教育などから自分を遠ざけるような悪い行動の連鎖を生み、稼げる職業につくのを妨げてしまうのだろう。”
ということで、目先の欲望を我慢する能力は、人生のネガティブを避ける方向で働くのではないか?ってことですね。
いまさら身長は変えられないので、後からでもコントロールできる「遅延割引」を小さくするように心がけとくのが良いようです。
教育については、後からいつでも大学院に行ったりできる機会の多いアメリカだと、まだチャンスはありそうですね。