睡眠不足でどこまで脳は衰えるか?

睡眠に関する研究は数多くありますが、世界最大と呼ばれる調査(ソース)が発表されました。規模の大きさは、

  • 平均年齢42歳弱の18歳から100歳までの1万886人を対象にしている
  • 参加者の大半は英国、カナダ、米国だが、インド、オーストラリア、ニュージーランド、パキスタンなども混ざっている
  • 全員の睡眠時間はもちろん、うつや不安を経験した頻度なども調べている
  • さらに、短期記憶、問題解決力、注意力、コミュニケーション能力などの認知機能の変化も調べてる

という感じで、確かに「睡眠とパフォーマンス」の調査としてはかなりのものとなっています。

それで、重要なポイントだけまとめると、

  • 頭が最も働くのは睡眠時間が7~8時間におさまった時である:認知テストの結果を見ると、最もパフォーマンスがよかったのは毎日7~8時間の睡眠を取ってる人だったそうです。特に影響が大きいのは推論能力や言語能力で、逆に短期記憶にはそこまでの影響が見られなかったらしい。
  • 睡眠時間が7~8時間より多くても少なくても頭は働かなくなる:睡眠時間は多くても少なくても良くないらしく、7時間未満または8時間以上の場合は、どちらもほどんと同じぐらい認知に悪影響を与えるとのことです。過眠については睡眠障害が影響してる可能性もあるので注意が必要です。
  • 一晩良い睡眠をとるだけでも大きな違いが生まれる:良いニュースとしては、たった一晩の睡眠時間を増やすだけでも認知能力は向上させることができる。多くのテストでは、普段は十分な睡眠が取れていない人たちが一晩の睡眠時間を7〜8時間の範囲内に増やすと、翌日の認知パフォーマンスが向上したと報告されている。
  • とはいえ慢性的な不眠は脳を劣化させる:毎晩4時間ぐらいしか寝ていないぐらい重度の睡眠不足の場合は、脳のパフォーマンスを10年近く「老化」させてしまいます。また、一晩だけでも睡眠不足になると、アルツハイマー病の原因となる有害なタンパク質のレベルが上昇するという証拠がある。
  • 睡眠は様々な年齢の脳機能に影響を与える:18歳だろうが100歳だろうが、どの年齢でも同じように認知には悪影響がある。結局のところ、どの年齢でも認知機能に最適なのは7〜8時間の睡眠時間だった。なので、睡眠時間が短くなりがちなお年寄りは特に注意が必要です。

睡眠不足が脳に良くないのは知られてますが、10年分ぐらい脳が衰えると聞くと、あらためてよく寝ないとと思いますね。

もちろん、最適な睡眠時間には個人差があるだろうし、この研究には70歳以上の参加者が多くないので(269人)、高齢者への影響については結論が異なる可能性もあります。

ですが、とりあえずどういう年齢でも「1日7~8時間の睡眠」が脳を健やかに保つ最適時間であるということは確かなようです。

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