「寒さは体にいい!」というデータが最近多く出ていて、「冷水シャワーで風邪を引きにくくなる」(ソース)とか「冷たいスプレーでエクササイズがはかどる」(ソース)という話が増えてきています。
定期的に体を冷やすとホルミーシスが働いて、体に活が入るようです。
2016年に出た論文(ソース)では、「30日クールチャレンジで体と心が強化!」という話になっています。
これはオランダで行われた実験で、18〜65歳までの男女3018人が対象です。まずは全員を2グループに分けて、
- 好きなだけ熱いシャワーを浴び、その後 10–12°Cの冷たいシャワーを30〜90秒浴びる
- 好きなだけ熱いシャワーを浴びる
という感じで30日ほど過ごしてもらいました。
そのあとで両グループの違いをチェックしたところ、
- 普通にシャワーを浴びたグループより、冷たいシャワーを浴びたグループは29%も風邪を引く確率が少なかった!
- 冷たいシャワーを浴びる時間は、病気の発生率に影響をあたえなかった
という結果でした。
とりあえず1日30秒ほど冷たいシャワーを浴びると風邪に強くなるみたいですね。
本論のデータによれば、冷たいシャワーと同じぐらい風邪に効くのは「定期的なエクササイズ」だけで、こちらは35%ほど発症率を下げる傾向があったということです。
さらに、冷たいシャワーとエクササイズを組み合わせれば、風邪の発症率は54%も下がるらしいので両方組み合わせるのは最高ですね。
また、冷たいシャワーはメンタルにも軽く影響が出ていて、
- 多くの参加者が「冷たいシャワーで活力が増した」と回答した
- ただし、人生の質、不安、仕事の生産性については統計的に有意差がなかった
とのことです。
風邪の予防ほど大きな影響ではないですが、それなりに日中のエネルギーが増えた参加者が多く、全体の64%は実験が終わってからも冷たいシャワーを実践し続けたそうです。
それぐらい、効果を体感できた人が多かったということですね。
冷たいシャワーが風邪に効く理由については謎が多いのですが、
- コルチゾール(ストレスホルモン)やノルピネフリン(副腎髄質のホルモン)などのホルモンに影響が出るから?
- 褐色脂肪細胞(カロリーを消費する脂肪)が活性化するから?
などの説があります。
いずれにせよ、定期的に体を冷やすのがよいのは間違いなさそうなので、試してみても良いと思います。