キーウィって、ビタミンC豊富で優秀なフルーツというのはよく聞く話です。
このブログでも「キーウィを食べると睡眠の質が上がる」とか「メンタルの改善によい」という記事を書いていますが、そもそもキーウィはビタミンCやEなどの抗酸化成分が豊富なので、うなずける話です。
女子栄養大学などによる2021年の調査(ソース)では、「サンゴールドが運動のパフォーマンス改善にいいのでは?」という結果が出ています。
サンゴールドは、見た目が黄色タイプのキーウィで、緑色よりビタミンCとEの量が多いことで知られています。
ここでは2つの調査が行われていて、具体的には以下のようになってます。
実験1
- 陸上競技メインのアスリート男性30人
- 全体を2グループに分けて、一方にはサンゴールドを1日2個ずつ食べてもらい、もう一方に普通の食事を続けてもらう
- 1ヶ月後の酸化ストレスをチェックする
実験2
- 長距離走メインのアスリート男性20人
- 全員にサンゴールドを1日2個ずつ食べてもらい、2ヶ月後の酸化ストレスをチェックする
どちらの実験でも1日2個のキーウィが使われて、抗酸化成分の摂取量はビタミンCが261mg、ビタミンEが2.3mgとなっています。
長距離ランナーは酸化ストレスがたまってることが多いので、これは確かに効きそうです。
結果はと言うと、
実験1結果
- サンゴールドを食べたグループの血液検査による酸化ストレスが改善していた(d-ROMsで測定)。ただし、抗酸化力には変化が見られなかった(BAPで測定)
- 潜在的な抗酸化能力(抗酸化力値÷酸化ストレス値で7.33以上だったらOK)については、実験前は7.1(6.9~8.2)だったのが、サンゴールドを1ヶ月食べたら8.7(7.3~9.8)に上昇した
実験2結果
- 2ヶ月ほどキーウィを食べたグループは抗酸化力の改善が見られた(2,127μmol/L → 2246μmol/L)。酸化ストレスにも改善が見られた(293U.CAR → 268U.CARR)
- 酸化ストレス度と抗酸化力のバランスも、実験前は7.5(6.9~7.8)だったのが、サンゴールドを1ヶ月食べたら8.2(7.4~8.8)に上昇した
となっています。
用語については、
- 酸化ストレス=活性酸素やフリーラジカルによる体内のダメージを数値化したもの。これが高いほど体への悪影響も大きい。
- 抗酸化力=体が持つ酸化への防御力を数値化したもの。これが高いほど酸化に立ち向かう能力が高い。
- 潜在的な抗酸化能力=酸化ストレス度と抗酸化力のバランスを表したもの。この数値が高いほどバランスが良いと考えられる。
という感じです。
全体的に見ると、実験を始める前に体内の酸化レベルが高かった参加者ほどキーウィの効果が大きい傾向が見られて、酸化ストレスが大きな人ほどメリットがありそうです。
これは普段から激しいトレーニングをしてるアスリートが対象なので、そこそこの運動量で過ごす一般人にも同じ効果を得られるかは謎です。
が、HIITなどで日ごろ大量の酸素を取り込んでいるような人なら、1日2個ずつのサンゴールドを食べてみても損はないかもしれません。
激しめの運動をすると、活性酸素とフリーラジカルの増加でケガや疲れにつながることもあるので、対応はしておいても悪くはないかと思います。