なにか嫌なことがあった時に、誰かに愚痴をこぼして発散する人は多いでしょうが、それは逆効果ではないのか?というデータ(ソース)があります。
これは2018年のアリゾナ州立大学の研究で、
- 170人のバス運転手を集める
- みんなに「上司への不満をどのように友人に愚痴を言ってますか?」と尋ねる
- 参加者が友人に愚痴をぶつけた後で、気分が改善したか悪化したかを調べる
という調査をしたところ、結果は以下のようになりました。
- 「それはひどいですね」「君の言うとおりですよ」のように、受け身で愚痴を聞いてくれる同僚に不満をこぼすと、その後で上司に対する怒りがアップし、仕事をさぼるようになった
- 研究者が上司を追跡調査したところ、上司の側も「受け身の同僚に愚痴をこぼした社員は、仕事の手を抜いている」ってところに気づいていた
ってことで、こちらの話をただ聞いてくれる相手に愚痴をこぼすと、その後で仕事の不満や怒りが増してしまうというまさに逆効果になってしまう結果でした。
しかし、一方で愚痴を聞いてくれる相手によっては、仕事の不満の解消効果も認められています。
「上司にも何か理由があったのかもしれない」「そこまで悪いことを言われたわけではない」「ここから学べることもある」といったように、
問題を「リアプレイザル」してくれるような同僚に不満をぶつけた参加者は、ネガティブな感情が上がらず、仕事のパフォーマンスも低下しなかった
だったそうです。
リアプレイザルとは、「再評価」という意味で、文字どおり怒りの原因に対する考え方を変える方法です。
昔から「怒りの対策にはリアプレイザルが効く」と言われてきましたが、これをやってくれる友人に話すのがベストだというわけです。
研究者によれば、
” 私たちが動揺したとき、自分の気持ちを聞いてくれる人に「あなたは本当に不当な扱いを受けたんだね」と言ってもらいたくなるのが自然な傾向です。
しかし、ネガティブな状況を克服したいのであれば、そのようなフィードバックはベストではありません。”
ということです。
友人に不満を言いたい時は、リアプレイザルをしてくれるような相手を選んだ方が良いということですね。