実際にヨガで頭が良くなるのかどうかは未知数だったのですが、2019年に「ヨガと脳の健康」に関する先行研究を調べたデータ(ソース)が出でています。
これはBrain Plasticity誌に発表されたレビューで、「ヨガをやったら脳の働きは良くなるのか?」という疑問について調べた11件の研究を精査したものです。
各研究の内訳をまとめてると、
● 5件の研究では、ヨガの経験がない人を対象に、1週間に1回以上のヨガを10〜24週間にわたって行い、ヨガの開始時と終了時の脳の健康状態を比較しています。
● その他の研究では、ヨガを定期的に実践している人とそうでない人の脳の違いを測定しています。
● 各研究では、MRI、fMRI、単一光子放射型コンピュータ断層撮影などの脳画像技術を使用しています。
● 全ての研究でハタヨガが使われており、ポーズの維持、瞑想、呼吸訓練などが採用されています。
という感じです。
ハタヨガはポーズの維持と呼吸法を中心にしたヨガで、運動の負荷が低くく、初心者に優しいと考えられてます。
ヨガで脳領域の変化が見られた!
これらの過去の研究から認められた傾向は、
” これら11件の研究により、一貫していくつかの脳領域が変化することが特定された。それの変化は、エクササイズが脳に与える研究で見られるものと、驚くほど違わない。”
ということでした。
有酸素運動で脳が発達するのと同じような現象がヨガにも起きるということです。驚きですね。
具体的にヨガで脳がどのように変わるのか?
1. 海馬の体積が増加する
海馬は記憶処理に関与しており、年齢とともに小さくなることが知られ、認知症やアルツハイマー病で最初に影響を受けるエリアです。
前頭前皮質も大きくなり機能も上がる
前頭前野は額のすぐ後ろにある脳の領域で、計画、意思決定、マルチタスクなどに不可欠です。
帯状皮質のサイズも大きくなる
帯状皮質は辺縁系の一部であり、情動の調節、学習、記憶に重要な役割を果たします。
デフォルト・モード・ネットワークの性能もアップする
デフォルトモードネットワークは、自己について考えること、計画すること、記憶することに関係しています。
全体的に脳の機能が上がっているうえに、ヨガを続けている人は認知テストや感情コントロールのパフォーマンスも改善していることがわかっており、現実的なメリットも大きいようです。
なぜヨガが運動と同じぐらい脳に良いのか?
ヨガは有酸素運動ではないので、ランニングやHIITほど脳の血流アップが起きるはずもなく、そこまで頭の機能が改善する理由はなぞなのですが、
基本的にヨガで頭が良くなるメカニズムを特定できるような証拠はない
おそらく、ヨガによって感情のコントロールが上手くなり、そのおかげで頭が良くなったのかもしれない
ということです。
まだまだ謎は多いものの、エクササイズが脳機能の働きをプラスにするのに対して、ヨガは脳機能を下げる要因を取り除いてくれてるのかもしれません。
ヨガでコルチゾールが下がるデータが多いことから、ストレス等で脳にダメージが与えられるのを、取り除いてくれる可能性があると考えられます。
まだ全体的には初歩的な研究が多いですが、メンタル改善の技法としてヨガをするのは良いのではないかと思います。