アンチエイジングで重要なポイントが「細胞老化」です。細胞老化は細胞がダメージを受けて行くことで、いったんこうなると、
- 細胞分裂ができなくなる
- 内臓のサポートもできなくなる
- さらにSASPという有害な物質を吐き出す
などと悪影響が一杯でアンチエイジングの敵と言えます。とくに最後のSASP(細胞老化随伴分泌現象)が問題で、
- 体内の炎症を増やす
- 組織の修復ができなくなる
- 免疫系にダメージを与える
- がんの発症率が増える
といった体に悪影響を与える現象と結びついています。
通常は老化した細胞は免疫システムが処理してくれますが、年齢とともに体の防御システムが衰えてくると、どんどん溜まっていってしまいます。
年を取ると病気になりやすいのもこういうことが原因なのですね。
2010年ごろから「SASPをどう対策したらいいのか?」ということを調べた研究が始まって、マウス実験を中心にリサーチが進んでいる段階です。
人間の老化細胞をとり除ければ、さらに健康でいられるのではないかと思われるわけです。
2018年ミネソタ・メディカル・スクール大学が、具体的にSASPに立ち向かう方法(ソース)を調べてくれています。
実験内容は、
- 野菜やフルーツに含まれる有名なフラボノイドを10種類ほど選択
- すべてのフラボノイドを年取ったマウスに投与する
- SASPがどうなったかをチェックする
という感じです。
とりあえず、抗酸化と抗炎症作用をもつフラボノイドを使えば、細胞の老化も抑えられるのではないか、と考えたわけです。
さて、そこで得られた結論は、
- フィセチンが最強!
だったそうです。
フィセチンはリンゴなどにふくまれるフラボノイド で、2006年の実験(ソース)では「マウスの記憶力が上がった」という結果が出てて、抗酸化的に重要な成分のひとつです。
人間を対象にした実験が少ないのが難点ですが、可能性にあふれています。
研究者によれば、
” 今回の結果は、私たちが人生の最終段階に入っても健康寿命をのばすことができる事実をあきらかにした。もちろん、人間に対する最適な用量はまだわからないけれど。”
とのことです。
研究としては初歩という感じではありますが、とりあえずフィセチンを増やしといて損はなさそうです。具体的には、
- リンゴ
- イチゴ
- タマネギ
- キュウリ
などを積極的に増やしていくと良いと思います。
普段からよく食べている野菜や果物なので、どしどし取り入れたいですね。ちなみにフラボノイドは皮に含まれるのでリンゴは皮ごと食べるのがベストです。