ベジタリアンのビタミンB12問題
ベジタリアンは本当に健康なのか?というのは、昔からよく聞く話です。今のところ、
- 確かにベジタリアンで健康になったとのデータは多い
- ただし、本当に「肉を止めた」おかげで健康になれたのかは不明で、不健康なライフスタイルが全体的に改善した可能性もあります
といった感じです。観察研究を見てる限り、やっぱベジタリアンは体にいいのでは?といった印象もあるわけです。
が、いっぽうでは「ベジタリアンって栄養が足りないのでは?」という指摘もあり、とくにビタミンB12は肉にしか入ってないので、どうしても体に良くないんじゃないかと言えわれています。
肉を食べないとどうなるか?
実際ヴィーガンの人は、ビタミンB12のサプリを常用している人も多いとか聞きます。
2013年の論文(ソース)によると、「肉を食べないとどうなるか?」という点を徹底的に調べてくれています。
これはテムズバレー大学の実験で、過去に行われたベジタリアンの研究をまとめたものです。
17件の論文から3230人分の研究を精査したメタ分析で、かなり信頼性は高いと言えそうです。
具体的には、
- 肉を食べないとビタミンB12はどれだけ不足するのか?
- 栄養不足はサプリメントで補えるのか?
- ホモシステインは高くならないのか?
という3つのポイントを調べています。
ホモシステインは血液にふくまれるアミノ酸の一種で、この数値が高いほど血管が老けていくことが文科省の研究でもわかっています(ソース)。
昨日書いた記事でもホモシステインが増加すると脳の機能も悪化します。
で、ホモシステインの濃度を上げないために必要なのが、ビタミンB12やB6などです。
ビタミンB群が足りないとホモシステインのせいでコラーゲンが少なくなり、血管がかちかちになってしまいます。
ビタミンB12は脳の働きにも関わっていて、不足すると脳の劣化につながってしまいます。
本当にベジタリアンは大丈夫なのか?ってのが、この論文のポイントです。
若い血管を保つためにも肉は必要
この論文の結論は、
- 肉も食べる人にくらべて、ヴィーガンのビタミンB12レベルは44%ほど低い(牛乳や卵を摂るベジタリアンの場合は31%低くなる)
- 肉も食べる人にくらべて、ヴィーガンのホモシステインは1.5倍ほど高い(牛乳や卵を摂るベジタリアンの場合は1.26倍高くなる)
となっています。
やはり肉を食べないと、ビタミンB12が減りとホモシステインが増加してしまうということですね。
ビタミンB12サプリは効率に注意
また、ここで興味深いのが、サプリメントの使用にも疑問符が出ているところです。
研究者によれば、
” 今回のレビューにより、ベジタリアンとビタミンB12サプリの関係を調べた研究が非常に少ないことがわかった。
しかし、数少ないデータを調べると、一般的なサプリやビタミン飲料には、シアノコバラミンという効率の悪いビタミンB12が使われているケースが多かった。”
ということです。
ホモシステインを代謝するには「メチルコバラミン」ってタイプのビタミンB12が必要なので、正しいタイプの商品を選ぶ必要があるようですね。
また、このデータによると、口から摂取したビタミンB12は最大で88%も体に取り込まれないので、吸収率に注意が必要です。
以上のことから、やはり「お肉はちゃんと食べよう!」ということが言えます。
といっても、どうしても肉がダメな場合は、
メチルタイプでなるべく溶けやすいサプリを使うことが重要です。
ベジタリアンだけでなく肉が苦手な人はジャロウフォーミュラ社のメチルB-12など試してみてはどうでしょうか?