最近ビーガンのYoutuberをよく見ているとなんか健康的な感じがしてきています。そこで、 菜食主義者はどこまで体にいいのか考えたいと思います。
ベジタリアンが健康にいいのは間違いない
「ベジタリアンって体にいいの?」って疑問は昔からあります。
イタリアの過去に行われたベジタリアンの観察研究をまとめたデータは、96件データを使った系統的レビューです。
その結論は、
ベジタリアンは一般的な食事にくらべて、
心疾患のリスクが25%減る
癌の発症リスクが8%減る
体重も少ない
コレステロール値も良好
となっています。全体的に「ベジタリアン圧勝」という内容です。
この点で、現代人の平均的な食事よりベジタリアンが体にいいのは間違いありません。
ベジタリアンは健康意識が高い?
たとえば、ちょっと想像してみただけでも、ベジタリアンがタバコを吸うとは思えないし、ヨガなどの運動もしてそうです。
その点で、統計ではベジタリアンのほうが健康意識が高くて有利になってしまいますね。
そこで参考になるのが、1996年にオックスフォード大から出た論文(ソース)です。
実験では、まず健康雑誌やサプリショップなどで募集をかけ、健康意識が高い男女だけを1万700人もピックアップしました。続いて全員を以下の2つのグループに分け、
- ベジタリアングループ
- 肉も普通に食べるグループ
そのうえで、17年にわたって追跡調査を行ったところ、
- どちらのグループも死亡率は同じ!
- 病気の発症率も同じ!
という結果でした。
これは1994年の実験(ソース)でも似たような結論が出てまして、どうも健康意識さえ高ければ、特にベジタリアンだから健康というわけでもないということです。
ベジタリアンで足りなくなりがちな栄養はある
以上のことから、
- 野菜だけの生活が特に健康面で有利ってことはなさそう
- 逆に言えば、肉を食べなくても、卵や乳製品、豆類のタンパク質で健康でいられる
- 大事なのは加工食品と精製油をやめること
という感じでしょうか。
ちょっと気になるのが、ベジタリアンとメンタルの問題です。
というのも、肉や魚を食べないと脳に欠かせない栄養素が少なくなりがちで、慢性疲労やメンタルの悪化が起きるケースが意外と多いです(ソース)。
具体的には、
- オメガ3:魚と肉に多くふくまれ、脳の働きには欠かせない成分です。亜麻仁油からとることもできますが、体内の吸収率が悪いのが難点で、ベジタリアンの場合は、乳製品で補う必要があります。
- ビタミンB12:ベジタリアンほどビタミンB12が足りない傾向があります(ソース)。
ビタミンB12はDNAの合成にも使われる大事な成分で、ほぼ肉からしかとれない栄養素なのでベジタリアンは不足なりがちです。
- カルシウム:ビーガンはどうしてもカルシウムが不足しがち(ソース)です。野菜のカルシウムは体への吸収率が悪いので、どうしても少なめになってしまいます。乳製品を食べないビーガンにありがちなことです。
の3つが代表例ですが、あと人によっては鉄分とか亜鉛も不足しがちです。
とくにビタミンB12不足のダメージがよくあることなので、ベジタリアンなライフスタイルを選んだ方はサプリで補う必要があるかもしれません。
上に挙げた点にだけ注意すれば、ベジタリアンは十分に健康的なライフスタイルとしてありかと思います。