ワーキングメモリは脳の一時保管庫で、記憶を数秒の短い時間で溜めておくところです。
この機能が高い人は、
頭の回転が速い
メンタルも強くなる
感情のコントロールもうまくなる
健康的なライフスタイルを取れる
などのメリットがあって、とにかく人生を楽しくすごせる役割があります。
ワーキングメモリを鍛える方法については、運動や緑茶やサプリなど様々な技法が確認されているのですが、
2018年に出た論文(ソース)は、「新たにワーキングメモリを鍛える方法を見つけた!」という内容になっていて、面白いです。
これはトロント大学の実験で、19〜35歳の男女41人が対象となっていて、以下の3パターンの条件で参加者を集めました。
- 英語だけを話せるミュージシャン
- 英語と第二外国語を話せるが、楽器はできない
- 英語を話せるだけで、楽器もできない
つまり研究チームは、「音楽と外国語はワーキングメモリに効くのではないか?」と仮説を立てたわけです。
実験では全員の脳をスキャンしつつ、3パターンの音声を聞いてもらいました。
- 人間が立てる音(足音や会話など)
- 環境音(風や雨の音など)
- 音楽(楽器がかなでるメロディなど)
そのあとに、全員に「どんな音が流れたか覚えてください」と「音が流れてくる方向を当ててください」という2つの指示を出したそうです。
どちらも非常にワーキングメモリをよく使う作業です。
そして、結果は、
- ミュージシャンは音の種類を記憶する能力が他より高かった
- ミュージシャンとバイリンガルは、音の方向を当てるタスクの成績が良かった
- ミュージシャンとバイリンガルは、脳の学習と記憶をつかさどるエリアが活性化していた
ということで、基本的にはミュージシャンとバイリンガルのどちらも、一般的な人より成績が良かったようです。
つまり、音楽と語学学習はワーキングメモリを高めるのではないか、ということです。
音楽と語学が脳にいいかも?という話は昔からあるので、今回の結果にも非常に納得できるところです。
ちなみにこの実験では7年以上の音楽と語学歴がある人を対象にしてますが、どれぐらいからワーキングメモリに効いてくるのかは不明です。
ワーキングメモリ向上には楽器や語学の習得というのは、楽器や語学も身につく上にさらに脳の機能も良くなるので、一石二鳥と言えますね。