「考え方によってストレスの悪影響が変わる」って話は聞いたことがあると思います。
ストレスが人体にダメージをおよぼすかどうかには個人的な認知の影響が大きくて、
- 「ストレスは自分の集中力を高めてくれる!」と思っているとストレスのダメージは出にくくなる
- 「ストレスは百害あって一利なし!」と思っているとストレスの悪影響は出やすくなる
という違いがあります。
もちろん、だからといって「会社でのストレスも考え方を変えれば大丈夫」とか「上司がパワハラしても良い方向に考えれば問題ない」ということにはなりません。
ですが、たとえば「テスト本番のストレス」とか「プレゼン前の緊張」のように、失敗することへの恐怖からくる心理的な負荷に対しては考え方を変えた方がいいのではないかということです。
2019年に出たデータ(ソース)では、「ストレスに対する考え方を変えるとこういうメリットがある!」という点を調べてくれています。
これはペンシルバニア州立大学の研究で、59人の男子学生に対してストレスがありそうな暗算などのタスクを指示しました。
そして、その際に全体を以下の3つのグループに分けています。
- 「ストレスはいいものである!」という考えをリフレーミングで叩き込む
- イメージトレイニングで「ストレスのおかげでパフォーマンスが向上した自分」を頭に思い描く
- なにもしない
それぞれ15分の介入を行ったあとで、ストレスタスクをやってもらったところ、以下の違いが確認されました。
- リフレーミングを行ったグループは、ストレスホルモン(コルチゾール)が低下していた(つまり、あまりストレスを感じにくくなったと思われる)
- リフレーミングとイメージトレイニングのグループは、なにもしなかったグループよりもDHEAの量が増えた(DHEAはコルチゾールの悪影響をやわらげる働きがある)
ということで、ちょっとストレスへの考え方を変えただけで、ホルモンレベルでちゃんとした変化が確認されたということです。
思い込みじゃなくて、ちゃんと客観的な違いが見られたのはすばらしいです。
本番の15分ほど前にやるだけでも効果があるようなので、なんか緊張する状況にいる人はやってみてもいいと思います。
具体的な方法としては、
- リフレーミング: ストレスに対する自分の心持ちを変えてみる。たとえば「この仕事は辛そうだな。嫌だな」と思ったら、「これは大変だけど、新しいことを学ぶチャンスだな」と自分に言い聞かせてみる感じです。
- 「運動のやる気がない」「ジャンクフードを食べたい」を少し解決するイメトレの考え方:自分が取りたい行動を現実的に想像するイメージトレイニング
などが役に立つと思います。