結論から言えば、健康な人が卵を食べ過ぎても心臓病や脳卒中のリスクが上がる可能性は低いです。
卵は体にいいのか悪いのか?という議論は今もあって、個人的には毎日食べても別に問題ないと思ってますが、一方では「週3個以上であぶない」みたいな実験データ(ソース)もあるので、判断に迷う点はあります。
2019年10月の新しいデータ(ソース)は、この卵問題についてかなり徹底的な研究を行っていて、かなり参考になるかと思います。
これは「卵で心疾患のリスクは上がるか?」って問題について調べた先行研究をまとめたアンブレラレビューで、
7件の系統的レビュー
15件のメタ分析
と、かつてない規模のデータを扱っています。
全体的なデータの質から言うと、
基本的に卵に関する系統的レビューは質が低い
一方でメタ分析の方は中程度から高いレベルのクオリティを持つものが多い
ということで、メタ分析の方は信頼できそうです。
その結論をざっくりまとめると、
● 全体的に見れば、健康な人が卵で心臓病や脳卒中のリスクが上が.可能性は低い。
● ただし卵と心不全の相関を示したメタ分析が2件存在する。
● 直近に出た5件のメタ分析では、卵と糖尿病の相関が確認されなかった(ただし、なぜかアメリカ人をベースにしたデータでは相関が報告されています)。
● 2013年より前のメタ分析では、二型糖尿病の患者は卵で心疾患リスクが上がる可能性が指摘されていて、
● アテローム性動脈硬化症に関するメタ分析も、全体的に卵との相関はないという報告がある。
● 卵の消費量が増えると高血圧のリスクは減る可能性がある。
のような結果になっていて、判断が難しい内容です。
ざっくりまとめると、
糖尿病の人などは別として、基本的に卵の消費量が増えても心疾患の心配はない。
ということは言えそうです。
今回のデータについては、個々の卵がどのように調理されたかが分からないし、それぞれの研究のやり方が違うとので絶対とは言えませんがが、これが優良なデータなのも間違いなく、またひとつ卵には有利な材料が出てきたという感じです。
ちなみに、このアンブレラレビューだと、「じゃあ卵はどれぐらい食べていいの?」というとこまでは分からないのですが、卵の摂取量と心疾患に関するデータ分析(ソース)によれば、
健康なライフスタイルを送ってる人であれば、週に6〜12個までは何の問題もない。
という感じです。個人的には週6個も食べないのですが卵好きな方で、安全策を取りたい方はこのラインを守るのが良いかと思います。