「宿便は万病のもと」という主張はまだ存在するのでしょうか?
腸の壁にこびりついた便が毒素を放って、体に悪影響をおよぼすのではと言う考えです。
ですが、主流の医学では「宿便」はほぼ完全に否定されていて、
便秘で悩まされている方の大腸を、内視鏡で調べてみると大腸の中はとても綺麗なのです!
専門家によると、
大腸の壁は、常に粘液が分泌されているため、便がこびりつきにくい上、細胞の入れかわりがとても早いので、便が壁にいつまでもこびりつき続けることはないと考えられるそうなのです。
大腸肛門病消化器内視鏡専門医の黒田敏彦氏によれば「1万人以上の腸を見てきたけれど、いわゆる「宿便」のある人はいなかった」ということです。
大腸壁は粘膜がいつも入れ替わっていて、便がこびりつくひまはないわけですね。
断食を実践した人のなかには、
「食べないのにとにかく出る、ものすごく沢山出るという状態で、宿便の存在をもう信じないわけにはいきません。」と思う人もいるかもしれません。
そもそも便の大半は大腸からはがれた粘膜でできていて、食事をしなくてもお通じはあるというわけです。
ちなみに、西洋医学による宿便の定義は「2〜3日出てこない便」のことで、要は便秘と同じです。(ソース、ソース2)
当然ながら便秘は体に悪いわけですが、断食が腸内環境にいいって主張も誤りでして、腸内細菌研究の第一人者である辨野義己氏によれば、
断食で胃腸を休め、腸内環境を改善する、という考えがありますが、腸は自律神経で動く臓器です。
つまり、断食しても腸が休まることはないのです。
腸内環境をよくするには、むしろ積極的に腸を動かしてあげることが大切なのです。
また、断食によって、食べかすを腸に送り込まないようにすると、腸内環境は悪化します。
腸のなかの食べかすがなくなると、腸内細菌は腸粘膜を分解し、壊してしまうこともあります。
「腸をダマせば身体はよくなる」より
ということです。断食しても腸は休むことはないのですね。
もちろん、プチ断食はダイエットやアンチエイジングに効果はあるので、それはあくまでも宿便とは関係のない話ということです。