味の素、MSGは体に悪いのか?

グルタミン酸ナトリウム、MSG(Mono Sodium Glutamate)、あるいはうま味調味料、健康志向の人にとっては「化学調味料」で、避けるべきものと考えられてます。

皆さんは食べるのを避けますか? それとも気にしませんか?

アメリカではいつごろからかNo-MSGというパッケージなどに表示されていたり、お店でもNo MSG addedなどと書かれてあるのを見て科学的根拠もなく味の素はだめなんだと思っていました。

味の素健康データが両極端

まずは「味の素」の成分を見てみると、

  • グルタミン酸ナトリウム 97.5%
  • イノシン酸・グアニル酸 2.5%

となってまして、ほぼグルタミン酸でできています。

グルタミン酸はアミノ酸の一種で、タンパク質の多い食品を発酵や熟成、乾燥などして加工すると、アミノ酸のつながったものであるタンパク質の一部は分解され、グルタミン酸が遊離し食品中のナトリウムやカリウムなどと結合してうま味となります。

グルタミン酸はかなり重要な栄養素で、特に脳の神経伝達には必須で、ブロッコリや醤油などに多く含まれ、自然の食物にも普通に見られる成分です。

というと安全性は高そうに見えますが、実際のデータは賛否両論で、2013年のレビュー(ソース)によれば、

「味の素は健康に良いってデータも悪くないってデータもあって、結局はよくわかりませせん」との結論です。

科学界も悩んでるみたいです。

「味の素」で悪影響が出る人もいる

こういう状況が起きる理由は、どうやら人によって「味の素」への反応が大きく異なるからみたいです。

過去のデータによると、確かにグルタミン酸で悪影響が出る人も数パーセントはいるようです(ソース1,ソース2,ソース3)。

味の素」過敏症と言ってもいいかもしれません。

その症状は、

などです。

もちろん自然の食品から得られるグルタミン酸は問題ないですが、「味の素」は吸収率が高いので人によっては悪影響が出やすくなるわけです。

「味の素」と肥満の問題

もう1つ、「味の素」に関して気になるのが肥満の問題があります。

「味の素」のように脳への刺激が大きい成分は、体のセットポイント(人間の体に備わっている自動的に一定の体重を保つ仕組み)を混乱させる可能性が高いからです。

具体的には、大量のグルタミン酸をあたえられたマウスが太った実験があったり(ソース)、「味の素」の消費量が多い地域ではメタボリックな人が多いってデータがあったりします(ソース)。

まだ確立されたものではないですが、肥満につながるとなると気になりますね。

まとめると、

  1.  大半の人には問題ないものの、「味の素」の悪影響が出やすい人もいる
  2. 「味の素」は脳のセットポイントを乱す可能性がある

といった点です。

基本的には、そこまで気にする必要はないですが、「味の素」で体の不調が起きる人は、できるだけ消費量を減らしたほうがいいかと思います。

多くの実験や研究をもとに、1987年にはFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)は安全だと認め、EUやアメリカ食品医薬品局(FDA)なども同様の判断を示しているので、科学的には体に悪いものではないと言えそうです。

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