シックハウス症候群は、その名のとおり、自分の家やオフィスに漂う悪い細菌によって気分が悪くなる現象のことです。
人体の外側の細菌環境が悪くなっても、やっぱりいろんな病気の原因になってしまうということですね。
2010年、2013年の研究を見てると(ソース1,ソース2)、シックハウス症候群が原因で起こる症状としては、
- めまい
- 疲労
- 頭痛
- 集中力の低下
- のどや目のかゆみ
- 咳
- 熱
- 寒気
などがあるようで、要するに、あらゆる病気のもとになるわけですね。
シックハウスは微生物の種類が少ない
シックハウスの現象が起きる理由は様々ですが、例えば、
- 室内の洗いすぎ
- 洗剤の使いすぎ
- 体の洗いすぎ
- 換気のしなさすぎ
- タバコの煙
- インクやペンキなどの揮発性の有機化合物
などのせいで微生物の種類が減って、
- 外に出なさすぎ
- 土や砂に触れなさすぎ
- 建物の換気をしなさすぎ
などのせいで微生物との接触回数も減ってしまうのが大きい原因のようです。
なかでも大きいのは「カビ毒」で、壁や天井の裏に繁殖したカビが毒性の物質を吐き出すすようです。
シックハウス症候群の研究で有名なシューメーカー博士の研究(ソース)によれば、一般的なビルや家屋の50%はカビ毒の問題を抱えてるそうです。
かびの臭いが感じられなかった場合でも、意外とカビ毒の害は蔓延しているようで、恐いですね。
オフィスにいるとくしゃみがでたり、頭痛がするのもそのせいかもしれません。
お家にいるように窓を開けて換気することができませんから。
最終的にはカビの生えた建物から逃げるしかない
2008年にロンドン大学が出したレビュー論文(ソース)によると、
” 高度に近代化した国ではライフスタイルが大幅に変わり、環境内の微生物や寄生虫との接触が減った。
これらの生物は、人類の進化のうえで免疫系の生理反応をつかさどる重要な役割を果たしてきた。
現在、先進国では免疫機能の不調が増えている。アレルギー症状の増加だけでなく、慢性的な炎症を適切に抑えることができなくなっているのだ。”
とのことで、とにかく、体の外側の微生物も非常に大事なのですね。
これは実際のデータでも明確に出ていて、
- カリフォルニア大学が行った調査によれば、104名の幼児を調べたところ、1才になる前にさまざまな種類の細菌やハウスダストに触れた子どもほど、3才でぜん息を発症する確率が格段に減った(2014年,ソース)。
- 331人の幼児を調べたところ、生まれた直後にシックハウスで育った場合、9才以降に肥満になる確率が高まった(2009年,ソース)。
などがあります。
どんなに正しい食生活をしていても、ちゃんと毎晩ちゃんと寝ていても、シックハウスやシックオフィスで過ごしている時間が多いとすべて水の泡ってことですね。
この問題に取り組むには、最終的には自然が多い場所に移り住むしかないわけですが、とりあえずは換気と観葉植物、できればペットを飼って対策するのが良いです。
除菌グッズは良い細菌も殺してしまうので、使わないのがベストです。